高校生留学の変化の兆しは、意外な場所にも現れている。最近上田社長は、関東のとある県の全高校長が集まる会議で講演を行った。きっかけは、ある県立高校の校長との出会いだった。
「その校長は『短期研修では意味がない。正規留学をわが校に導入したい』とおっしゃっており、私の問題意識と完全に一致しました。県内でもトップクラスの進学校であるその高校が動くとなれば、他の学校に波及するチャンスも広がります」
地域の公立高校が留学に力を入れることは、地方創生の観点からも意義がある。
「東京の私立高校が留学に力を入れるという話は珍しくない。むしろ地方の公立高校が正規留学を導入すれば、それ自体が学校のブランディングになります。子どもを留学させたい親が、あえて地方に移住する可能性すらあるでしょう」
日本の国際競争力の低下が叫ばれて久しい。2026年には名目GDPでインドに抜かれ、世界5位に転落する見通しだ。一人当たり名目GDPでは韓国や台湾にも追い越された。しかし、「失われた30年」のグラフを見せて嘆くだけでは、何も変わらない。
「今の悪循環を止めるには、若い人材を一人でも多く海外に送り出すしかありません。長期留学率が0.1%のままでは、10年後にはさらに差が開くでしょう。せめて5%くらいに引き上げないと、グローバル人材は育ちません」と上田社長は言う。
2033年までに高校生留学12万人という政府目標は、その第一歩にすぎない。真の目的を達成すべく、自治体の財政支援、学校現場の意識改革、そして何より「留学は特別なことではない」という社会全体の認識の変化が求められている。
高校生という早い時期にグローバルな環境に身を置くことの価値を、もっと多くの人が知るべき時が来ている(【前編】を読む)。
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