この記事は、金間大介氏、酒井崇匡氏の著書『仕事に「生きがい」はいりません 30年の調査データが明かすZ世代のリアル』(SBクリエイティブ、2025年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
ちょうど10年前のことだ。とある高校で、「身近な事例で学ぶイノベーション」というテーマで講義をした。講義内容が気になる人がいるかもしれないが、今はそれは問題ではない。
注目したいのは、講義後の高校生の反応だ。質疑タイムで、こんな質問をした高校生がいた。
「なぜイノベーションが必要か、ということがよくわかりました。そこで質問ですが、そんな不確実な時代を前に、自分たちはどんな資格を取っておくといいと思いますか? 現時点でおすすめの資格とかあれば教えてください」
少しでも新卒採用人事に関わったことのある人は、似た経験をお持ちかもしれない。
「おすすめの資格」系の質問は、少し前は定番中の定番だった。これに「入社後に取れる資格はありますか」「御社にはどんな研修がありますか」の2問を加えたのが、就活生が実際に聞きたい内容で、かつ真面目さもアピールできる、お得3点セットだ。
ただしこの3点セット、今はもうあまり聞かなくなってきたと思う。理由は簡単だ。僕ら教員を含めた大学サイドが「その質問はあまりしないほうがいい」と促しているから。
実際にそう書いてある就活マニュアル本もある。その理由も明確だ。企業の人事担当者から見て、印象が良くなくなっているから。実際にはっきりとそう公表している人事部もある。資格の質問では、真面目さや積極性をアピールできなくなってきているということだ。
さて、皆さんなら「おすすめの資格はありますか」と学生に訊かれたとき、どう答えるだろうか?
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
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