このような変革期において、企業に求められる個人のキャリア開発とは一体何であろうか。この問いに対する解答は複数存在するが、その中でも特に重要な一つが、AIエージェントのような自律的に業務を遂行するシステムを「使いこなす」立場として不可欠となる論理的思考力である。
AIエージェントは、設定されたゴールに向かって自律的に動作するという特徴を持つが、そのゴール設定自体が曖昧であったり、論理的に誤っていたりすれば、当然ながらその真価を発揮することはできない。
複雑なビジネス課題を正確に理解し、それをAIエージェントが実行可能な具体的なゴールへと落とし込む論理的分解・設定できる能力こそが、これからの時代において人間に求められる極めて重要な役割の一つとなるのだ。
また、どれほどシステムの活用範囲が広がったとしても、人間が仕事を進める限り、人間同士のコミュニケーションが完全にゼロになるとは考えにくい。
特に、リアルタイムで進行する人間同士のコミュニケーションにおいては、「瞬時に状況を判断し、論理的かつ説得力のある形で自身の考えを伝え、相手を理解する」という「瞬発的な論理的コミュニケーション」が求められる場面が数多く存在する(もしリアルタイムで対応しなくてもいい状況であれば、生成AIを活用して最適な回答を検討する時間的余裕があるかもしれない)。
AIが人間の仕事を奪うという議論は、これまでも繰り返し語られてきたテーマである。しかし、多くの人は、AIはあくまで人間の業務を「サポート」するツールであり、日々の業務判断は人間が担う必要があるため、直ちに仕事が奪われることはないだろうと考えているかもしれない。
だが、AIエージェントのように自律性を持ち、他のシステムやデータと連携しながら複雑な業務を遂行できるAIの登場は、いよいよ人間を代替する業務範囲を大きく拡大させる可能性を秘めている。
このような未来を見据え、私たち1人ひとりが、論理的思考力を含む必要な能力開発を積極的に実施していくことが、これからのキャリアを築く上で不可欠であると筆者は考えている。
本書は「頭の中をうまく整理できない」と悩むビジネスパーソンが、短い制限時間内にたくさんの「論理的思考を鍛えるトレーニング」をすることで、パッと論理的に考えられるようになる本である。
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