変革の財務経理

多忙で「DXは後回し」の経理が知るべき、現場を動かす「3つの鍵」(1/3 ページ)

» 2026年01月08日 07時00分 公開
[仲奈々ITmedia]

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本稿は、2025年12月9日にインボイス(東京都千代田区)が開催した「経理業務DX最前線サミット 2025 Winter」の内容を一部抜粋・編集した。


 「手作業が多くて決算がつらい」「アナログな業務から抜け出せない」──経理部門から、こうした声が聞こえる企業は少なくない。業務効率化やデジタル化の必要性は理解していても、日々の業務に追われ、改革に手を付けられないケースも多い。

 しかし、その“後回し”が、気付かぬうちに経営リスクを高めている可能性がある。

 IS経理事務所(東京都中央区)代表の葛西一成氏は、経理DXが進まない企業を数多く見てきた一人だ。同氏が現場で見てきた実例を基に、経理DXを阻む壁と、その乗り越え方を解説する。

経理DXを後回しにする企業に、静かに迫るリスク

 “経理DX”と聞くと、会計システムやクラウドツールの導入をイメージしがちだ。しかし葛西氏は、それだけでは不十分であり「経理の役割そのものを変える」ことがポイントだと指摘する

 従来の「守り」の経理から「攻め」の経理へと役割の変化が求められている。これまでの経理部門は、取引データを集め、仕訳を入力し、決算書を作成する役割が中心だった。いわば、数値を正確に管理する「守り」の仕事だ。しかしDXの後に目指すべきゴールは、蓄積したデータを分析し、経営判断に役立つ情報を経営陣に提示する「攻め」の役割だ。

photo01 経営に貢献する「攻め」の経理が求められている(出所:ゲッティイメージズ、以下同)

 では、なぜ今この変化が求められているのか。葛西氏は、経理業務のDXが不可欠な理由を3つ挙げた。

 1つ目は「業務量の増加」。多くの経理部門では、Excelや手作業による処理が依然として残っている。しかし事業拡大やM&Aなどにより企業規模が大きくなれば、処理すべきデータ量は増える一方だ。

 「Excelや手作業での処理は、限界を迎えつつあります。これは単なる“非効率”という意味だけではありません。致命的なミスや決算遅延につながり、経営上のリスクとなります」と葛西氏は警鐘を鳴らす。

 2つ目は「業務の複雑化」だ。会計基準や税法は年々複雑さを増している。制度変更に正確に対応するには、手作業では限界がある。例えば、2027年度からは「新リース会計基準」が強制適用となり、これまでオフバランスだった取引も原則として資産計上が求められる。

 3つ目は「経営への貢献期待」だ。経営層は経理部門に対し、単なる数値管理以上の役割を期待するようになっている。データを活用した分析や、経営判断のサポートを求めているのだ。この期待に応えるためにも、ルーティン業務を効率化し、分析や提言に時間を割ける体制が必要になる。

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