なぜ、森永ラムネは「受験生」に賭けたのか 夏のお菓子が変わった瞬間(3/5 ページ)

» 2026年01月12日 08時00分 公開

「らしさ」を生かした大人向け設計

 森永ラムネのアイデンティティーに回帰した商品として、2018年に発売したのが「大粒ラムネ」(販売想定価格141円)だ。サイズは通常の1.5倍と、大人の満足感にも対応した。

 パッケージデザインには、従来容器と同じ水色をベースに、アクセントにも同じ赤色を採用。ひと目で「森永ラムネの仲間」と分かるデザインとした。味も定番と同じで、慣れ親しんだ安心感を大切にした。

photo 原点に回帰して発売した「大粒ラムネ」

 大人の使用シーンに合わせ、容器をボトルタイプからパウチ型に変更した。持ち運びやすく、カバンの中でラムネがカラカラと音がしない仕様としたほか、売り場も子ども向けからグミやキャンディーが並ぶコーナーへ移動した。2020年頃からグミ市場が急伸し、売り場への来店客が増えたことも追い風となった。

 プロモーション費用をほとんどかけなかったが、発売直後からSNSで拡散され、想定を大きく上回る反響を呼んだ。年間販売計画数量を発売から1カ月で達成したことで品切れとなり、再販までに半年を要したが、その後も順調に売り上げを伸ばした。

photo 定番商品の1.5倍のサイズ(筆者撮影)

 「ブランドの世界観、ロングセラーならではの良さを踏襲しつつ、1.5倍の大きさになったという面白さが受けた」と、小山内さんは分析する。森永ラムネは「大人も食べるもの」という認識が広がった。

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