なぜ、味の素ギョーザは「売上日本一!」をやめ、「28年連続売上No.1」に切り替えたのかスピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2026年01月14日 10時22分 公開
[窪田順生ITmedia]

強い「うたい文句」によるミスリードの危険性

 「売り上げ日本一」「○年連続トップ」というワードのインパクトは強いので、宣伝文句として絶大だと説明する必要はないだろう。

 一方で「日本一」というインパクトの強さがゆえ、受け取った側は勝手なイメージを抱く。厳密にはブランド全体の売り上げの話なのに、単一商品の売り上げが日本一だと、勝手に思い込んでしまう消費者もいる。売り上げが日本一ということは、市場シェアも日本一だと誤解する消費者もいる。

 「うたい文句」とは諸刃の剣だ。消費者に深くササる強さがあればあるほど、イメージが暴走して誤認させてしまうものなのだ。

 また、インパクトが強いだけに引っ込めたら「あれ? 日本一じゃなくなったの?」とか「売り上げトップから陥落したんだな」というネガティブなイメージを広める恐れもある。

 「売り上げ日本一」「○年連続トップ」という「うたい文句」を使ってはいけないと言っているわけではない。このようなリスクを踏まえても「日本一」をうたったほうがいいという判断ならばやればいいし、その他の「武器」があるのなら、わざわざ「シェアや売り上げのアピール」にこだわらなくてもいいという話だ。

 分かりやすいのは「大阪王将 羽根つき餃子」だ。

「大阪王将 羽根つき餃子」のブランドサイト(出典:公式Webサイト)

 長く不動の王者だった味の素の「ギョーザ」を市場シェアで追い抜かしたワケだから、それこそパッケージに「ギョーザ市場シェア日本一!」と大きく打てばいいのに、今日に至るまでそのような表現は用いていない。

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