酒ガチャの特徴の一つが「会話のネタになる」点だ。その背景には「ピスタチオのお酒」「夜9時のチョコミント」といった、ひと目でユニークさが伝わる商品名と、思わず写真を撮りたくなるラベルを備えた“変わり種のお酒”をあえて選び抜いている点がある。
さらに、思わず誰かに伝えたくなる演出として、1本10万円相当のレアで豪華な「当たり」商品を用意している。
「メイン顧客層である20〜30代は、ソーシャルゲームに慣れ親しんでいる世代です。レアを引いたときのうれしさや興奮を、お酒でも体験できたらおもしろいと思いました」(河端氏)
その狙い通り、SNS上ではレア度やラベル、味といった要素を軸に、顧客起点の新たなコミュニケーションが生まれているという。その効果もあり、クランドの顧客層は、20代が約5割を占め、30代を含めると8割以上となる。これは、従来の酒類購入者の中心だった40代以降とは明確に異なる層であり、クランドが新たな市場を切り開きつつあることを示している。
2019年にスタートした酒ガチャは、2020年のコロナ禍に、自宅で過ごす時間が増えた消費者から支持を集めた。現在では、クランドの売り上げの約4割を占めるメインコンテンツへと成長している。
リピーター比率は4割強に達し、中には年間30〜50回も酒ガチャを回すユーザーもいるそうだ。
「SNSで酒ガチャを知り、購入する人がほとんどです。不定期でポップアップを開催しており、そこで何度か目にした方がECで購入してくれるケースも多いですね」(河端氏)
実際、2023年7月にJR新宿駅の施設内で実施したポップアップでは、3週間で5000回以上、ガチャが回された。中でも人気を集めた「ミニボトル酒ガチャ」は、開始から1週間で完売。在庫補充が追いつかず、臨時で駅構内の倉庫を借りるほどの盛況ぶりだったという。
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