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デジタル広告の「頭打ち感」、どう突破? 勝機は「自由に使えるスキマ時間」にあり

» 2026年01月21日 07時00分 公開
[中根ほづ美ITmedia]

【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2026冬 開催決定!

継続的に利益貢献する「良い売上」へのマーケティング

【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)

【視聴】無料

【視聴方法】こちらより事前登録

【概要】売上には「良い売上」と「悪い売上」があることを意識していますか。同じ規模の売上でも、初回購入によるものか継続顧客からのものかで、自社にもたらされる利益は大きく異なります。本講演では「良い売上」の最大化を図り、持続的な成長を実現するためのマーケティング戦略について解説します。

 デジタル広告をマーケティングの主戦場としてきた企業の間で、ここ数年「頭打ち感」が広がりつつある。

 生成AIの影響で人々の検索行動が変化し、キーワード検索だけに依存した流入は、以前ほど成果を出しにくくなっている。CV(コンバージョン、デジタル施策の成果)、CPA(顧客獲得単価)が限界に達していると嘆く声も少なくない。しかし、デジタル広告の代わりにテレビCMなどのマス広告に切り替えればよいかというと、そうはいかない。

 市場でのコモディティ化を経て、企業が提供する商品・サービスはマス向けではなく「特定のセグメント」をターゲットとすることが増えており、「テレビの向こう側に、狙いたいターゲットがいない」というケースも多い。

 では、デジタルでもマスでもない中で、次に“効く一手”はどこにあるのか──。今、広告主が押さえておくべき視点を整理する。

photo01 デジタル広告の効果の停滞が見られる中、マーケターはどこに注目すべきなのか(ゲッティイメージズ)

広告効果を高める可処分時間の“3つの特性”

 そのヒントを示すのが、広告メディアを展開するニューステクノロジー(東京都港区)の取り組みだ。同社が1月16日に開催した事業戦略説明会から、その内容を紹介する。

 同社代表の三浦純揮氏は、企業が注目すべきなのは「可処分時間」だと話す。

photo02 ニューステクノロジー代表取締役 三浦純揮氏(編集部撮影)

 かつて可処分時間は自宅での余暇など、ある程度のまとまった自由時間を指す言葉だった。しかしスマートフォンの普及により、今や可処分時間は家の中に限ったものではない。移動中、仕事の合間、待ち時間といった“隙間”も可処分時間として捉えられるようになっている。

photo03 「可処分時間」の定義に変化が生まれている(提供:ニューステクノロジー)

 この可処分時間にいかにターゲットにアプローチできるかが鍵になる。

 同社では“タクシーの車内”や“喫煙所”にサイネージを設置し、広告メディアを生み出している。新しいメディアを作るにあたり、同社は可処分時間の3つの特性に注目し、戦略を立てるという。

 1つ目は「習慣性」だ。毎日、毎週、毎月など、繰り返し必ず発生する行動に紐づく場で広告を流せば、複数回接触することで効果を発揮しやすい。

 2つ目は「滞在時間」が担保されていること。通過するだけの屋外看板と異なり、一定時間その場にいることが前提の空間では、視線が広告に向かいやすい。

 3つ目は「ターゲット属性が明確」であることだ。タクシーであればビジネス層や高所得者層、喫煙所であれば喫煙者といった具合に、広告主が「誰に届けているのか」をイメージしやすい。

photo04 「可処分時間」の3つの特性(提供:ニューステクノロジー)

 これらの条件がそろった場にメディアを作ることで、人々の可処分時間を出稿ブランドの認知獲得の時間へと変更している。

富裕層、意思決定層……特定のターゲットに届けるには?

 ニューステクノロジーのタクシーサイネージメディアは、東京23区内を走行するタクシー約1万1500台に搭載。都内のタクシー利用者は、企業の意思決定層や購買力の高い層が中心となっている。

 そのため出稿する広告主には、ビジネスパーソンや富裕層など、特定のターゲットへの訴求を狙う企業も多い。

 出稿企業の一つがハイエンドな別荘を提供している「NOT A HOTEL」だ。商材の特性上、富裕層・高所得者層が主なターゲットとなり、都内のメインターゲットからのブランド認知獲得と興味の醸成を目的に出稿を決めた。

 マーケティングを担う山口琢磨氏は、「タクシーサイネージに出稿していない月と比較して、指名検索数は2倍以上、資料請求は1.5倍に増加した」と反響について話している。

 他にも、プレミアムクレジットカードブランドのラグジュアリーカード、不動産投資支援事業を展開するフェイスネットワークなど、タクシー利用者と親和性の高い商材を扱うブランドが、ターゲットからのリーチを効率的に獲得するためにタクシー広告を活用している。「タクシー広告でよく見る」「見たことがある」というターゲットの認識が、営業や商談の場で後押しになっているという。

 これらの事例から見えてくるのは、広告の効果が「接触回数」だけでなく「接触する時間の質」に左右されている点だ。

 従来のメディアだけで成果を出し続けるのが難しくなる中、「どのメディアを使うか」に加えて、「どの時間に、どの文脈で想起されたいのか」を設計する視点が、広告主にも求められている。

【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2026冬 開催決定!

継続的に利益貢献する「良い売上」へのマーケティング

【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)

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