こうした環境下で、大手スーパー各社は生産性向上を目指し、生鮮の集中加工センターの導入を進めてきた。ただ、インストア加工を是とする消費者の意向に配慮し、加工工程を細分化して最終工程のみを店舗に残し、センター工程にシフトしていくという方法を採用している。
しかし、イオンは鮮度の技術革新やIT管理レベルの向上により、完全なセンター供給を許容する消費者が多いことを確信したのであろう。まいばすでは店舗に作業場のないセンター供給を採用し、バックヤード及び加工人員を減らしたのである。これにより、イオンは首都圏中心部に、省人化・省スペースの小型店であるまいばすを大量投入することが可能になった。
図表2と図表3は、都道府県別、政令指定都市別の飲食料品小売業販売額を、売場面積500平方メートル未満(中小、零細)と、それ以上(大手含む中、大型店)で分け、その規模とシェアを比較したものである。
中小零細の存在感は、東京と神奈川が圧倒的に大きく、次いで京都と大阪が大きいことがよく分かる。そして、政令指定都市ごとに見ると、中小零細が残っているのは、東京23区、川崎、横浜という京浜間の規模がずば抜けて大きいことが分かる。次いで京阪神だが、京浜間はその数倍だ。その他の地方においては、中小零細が大手により淘汰(とうた)されている。つまり、まいばすドミナントとは、中小零細の食品小売業の残存市場なのである。
イオンの戦略は、大手にとって最後のフロンティアである京浜間エリアや、国道16号線内側エリアにまで商勢圏を拡張し、再分割することだと解釈できる。
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