では、どうすればいいのか。答えはシンプルだ。FIFOマネジャーに転換すればいい。つまり「先入れ先出し」である。
この3つを意識するだけで、仕事の片付き方が劇的に変わる。「A」を終わらせてから「B」に移る。当たり前のことだが、これができていないマネジャーは意外と多い。
特に重要なのは(2)である。新しい依頼が来たとき、多くの人は「受け取る=着手する」と考えてしまう。しかしこの2つは明確に分けるべきだ。
依頼を受け取ったら、まず内容を確認する。期限はいつか。緊急度はどの程度か。今やっている仕事を中断してでも対応すべきか。この判断を5秒でいいので立ち止まって行う。それだけで「とりあえず着手」という悪習慣を断ち切ることができる。
先ほどの製造業の部長には、「着手リスト」ではなく「完了リスト」をつけてもらうことにした。1日の終わりに、その日完了した仕事だけを書き出す。最初は2〜3件しか書けなかった。しかし2週間後には5〜6件に増えた。1カ月後には「仕事が片付くようになってきました」と笑顔で報告してくれた。
実は、このLIFO思考はKPIマネジメントにも悪影響を及ぼす。
KPIを設定する際、多くのマネジャーはアイデアを出し、候補を広げていく。KGI(最終目標)を達成するために何が必要か。売り上げアップか、コスト削減か、顧客満足度の向上か。さまざまな要因を洗い出し、KSF(重要成功要因)の候補を挙げていく。ここまでは正しい。
問題はその後だ。
LIFO思考の人は、新しく出てきたアイデアに次々と飛びついてしまう。「これも重要だ」「あれも外せない」と、候補を絞り込むことができない。結果として「あれも重要、これも課題」となり、KPIが10個も20個も並ぶことになる。
KPIが多すぎると、意識が分散する。どれも中途半端にしか追いかけられない。結局、何ひとつ達成できないまま期末を迎える。「問題が山積みだ」と嘆くマネジャーの多くは、このパターンに陥っている。
頭が整理できていないマネジャーは、KPIを絞り込めない。絞り込めないから意識が分散する。意識が分散するから、どれも中途半端に終わる。まさに悪循環である。
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