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「正論」で人は動かない 子どもの肥満率改善に挑むドバイ大型スーパーの「体験設計」、何がすごい?がっかりしないDX 小売業の新時代(3/3 ページ)

» 2026年02月06日 06時00分 公開
[郡司昇ITmedia]
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デジタルは「データを取るため」ではなく「継続のため」に使う

 DXが失敗する典型は、データ収集が目的化することです。POS、アプリ、ID、カメラ、AI──導入した瞬間がピークで、現場の行動は変わらない。こうなると、現場からは「結局何のため?」と言われます。

 Bright Bitesのデジタル活用は、目的が明確です。アクセスパスのカードを使って体験し、ゲームやリーダーボードで進捗を見せ、子どもに「次もやりたい」と思わせる。

 重要なのは、データを使って利用者の気持ちと行動を、次の一歩に押し出すことです。

 順序が逆になると、「分析はできました。しかし現場は変わりません」といった状態で止まってしまいます。Bright Bitesは、変えたい行動(健康的な選び方)から逆算して、デジタル要素を配置しています。

日本でやるべきは「ミニテーマパーク化」ではない

 もし日本で体験型店舗を運営するとしたら、「子ども向けスーパーを作るのは無理」と考えるケースが多いことが想像されます。

 しかし、移植すべきは設備ではなく、行動変容のための構造です。重要なのは次の3点です。

 第一に、入口は軽く、体験は段階化する。見学やミニ体験は無料で、コア体験は課金制または予約制にします。事業として続けるためです。

 第二に、正しい選択に達成をひも付ける。スタンプ、進捗、称号、ランキングなど、子どもが興味を持つ形にします。すると、自然と子どもが体験に集中するため、親の説教は不要になります。

 第三に、家庭で再現できる設計にする。店で終わらせず、ランチや買い物の型として持ち帰れるようにします。レシピや買い方のテンプレートが効きます。

 ここまでやって初めて、食育が「学び」から「習慣」へ移るのです。

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