ちなみにSUVが人気といっても、ブランド通称名別の販売ランキングで新車登録台数を見ると、上位にSUVが入っていない。だからミニバンにはかなわないという意見も散見されるが、これは見方の違いによるところが大きい。トヨタのアルファード/ヴェルファイアやノア/ヴォクシーの国内販売台数は見事なものだが、RV(レクリエーショナル・ビークル)というカテゴリーで見ると、ミニバンとSUVは国内販売台数で首位を競うほど僅差なのである。
日本自動車販売協会連合会による新車登録台数のうち、RVをタイプ別に集計したもの。2025年はミニバン(図ではセミキャブワゴン)の方が多いが、2024年はSUVの方が多かったことが分かる(図:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)これは、ミニバンが単一車種に人気が集中するのに対し、SUVは多品種に人気が分散していることを示している。ミニバンを選ぶユーザーは、スペースユーティリティを重視し、周りも同じ車種を選んでいることに安心する傾向が強い。一方、周りと差別化したいユーザーはSUVカテゴリーを選ぶようだ。
事実、2025年のブランド通称名別販売ランキングでは、トップ10に入っているSUVはトヨタのライズのみであるが、実はカローラとヤリスにはそれぞれSUVグレードのクロスが含まれており、こちらも人気車種だ。
さらにランキングを50位まで見ていくと、カローラとヤリスを含めれば実に24車種ものSUVがランクインしている。つまり売れている車種のほぼ半数(台数ベースではなくランキング上だが)がSUVなのである。
日本自動車販売協会連合会による2025年のブランド通称名別新車登録台数の一覧。20位までではライズのほか、ヴェゼルとハリアー、ランドクルーザー(!)くらいしかSUVはランクインしていないが、50位まで入れると22車種、カローラクロスとヤリスクロスも含めれば24車種がランクインしている(図:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)これを見れば、日本でもSUVがいかに人気であるかが分かるだろう。だからこそSUVはプラットフォームを共通化しつつ、異なるキャラクターを展開することが大事なのである。これは、生産拠点が海外にある輸入車メーカーには難しい芸当であり、売れ筋車種に絞り込み過ぎた日産の敗因でもあるといえそうだ。
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