日本経済が低迷している要因の一つである「低賃金・重労働」は、「安い外食」が生み出してきた側面もある。日本はGDPの約7割を内需が占め、その多くをサービス業が担っているからだ。
実際、われわれが「コスパ最強」と喜んで食べている外食、コンビニの弁当や総菜をつくる仕事は今や外国人労働者なしには成り立たない。日本人が「安さ」を求め続ける限り、「安い労働力」が必要になってしまうのだ。
この負の連鎖を断ち切るためには、まずは外食チェーンがこれまでのように「うまくて安い食事」を提供するだけでなく、「食事という上質なエンタメ」「食事の時間を通じた人生の楽しみ」を提供していくことが求められていく。提供される食事のコスパの良さだけに価値を見いだすのではなく、食事をゆったりと楽しめる空間、そこで過ごす充実した時間、店側のサービスに対しても対価を払うような文化を醸成する。そうすれば、外食で働く人々の賃金も少なからず上向いていくのではないか。
「ステーキ」はその象徴だ。「安い肉」には限界がある。牛丼やカレーのように煮込むものではないので、肉の質をごまかしにくい。今後、日本が積極財政を進めれば、円安リスクが高まる可能性もある。コスパのいいステーキ屋の多くは「輸入牛」なので、このリスクをダイレクトに受ける。
そんな環境の中で「安さ」からシフトチェンジして、新たな「付加価値」を模索していくのは当然だ。その分かりやすい例が、東海や関東地方でステーキレストランを展開する「あさくま」(名古屋市)だ。
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