サーモンは養殖によって生産された瞬間に、すぐ寿司になるわけではありません。その時点では、あくまで「魚」です。寿司として私たちの口に届くまでには、多くの工程と人の手が関わっています。海外で生産されたサーモンが、寿司として提供されるまでの流れを追いかけてみましょう。
ここでは例として、日本で特に多く流通するチリで生産されたサーモンを追いかけてみましょう。
まず舞台は、南半球の海です。チリの養殖場では、生簀で育ったサーモンが出荷サイズになると水揚げされます。品種は銀鮭のほか、トラウトサーモンであることが多く、日本の資本が入っている養殖場も多く見られます。
実は、チリには、かつてサーモンはいなかったといいます。そこからチリをサーモン輸出大国にのし上げたのは、日本とチリがともに研究開発を進めた結果の賜物で、まさに奇跡ともいえる偉業でしょう。
チリでのサーモンの海面養殖を事業として成功させたのは日魯漁業(現マルハニチロホールディングス)で、1978年から現地法人を設立し、1982年の時点で販売量は1000トンにも達します。なお、品種は銀鮭でした。この事業には、日本のJICAやSERNAP (チリ水産庁)の日本/チリ・サケプロジェクトも関わっています。
チリでのサーモン養殖は、南部にあるパタゴニア地方のフィヨルド海域であることがほとんどです。サーモン養殖に適している場所は、海水温20度以下の期間が長い冷涼な海域で、潮通しが良い海域です。
もちろん、他の魚と同様に一穏やかな海洋環境や十分な水深があることも求められます。さらに、チリやノルウェーのような緯度の高い地域の場合は、流氷が来ないこともポイントになってくるでしょう。パタゴニア地方のフィヨルド海域は、この点を満たしているサーモン養殖に適した地域です。
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