同じ魚でも値段が違うのはなぜ? 普通のサバと関サバで10倍ほどの差魚ビジネス(1/4 ページ)

» 2024年03月20日 05時00分 公開
[ながさき一生ITmedia]

 突然ですが、同じ魚でも値段が違うのはなぜでしょうか。

 例えば、サバ。スーパーで売られているサバは、安い時なら1尾400円ほどで買えますが、ブランドサバの「関サバ」ともなれば、1尾4000円以上はしてきます。両者には10倍ほどの差がありますが、この差が生まれるのは魚そのものの質に加えて、漁法や扱い方の違いによるところが大きいといえます。

 魚という食材は、同じものでも「どういう扱い方をされてきたか」によって品質が変わってきます。そして、その扱い方の中で、まず差が生まれるのは漁法です。具体的に説明していきましょう。

同じ魚でも値段が違うのはなぜ?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 1尾400円ほどで買えるサバの場合、網でつかまえる方法で漁獲されています。大量に獲るため安くできるという側面もありますが、固めて獲る中で魚同士が擦れてしまうため、身が傷みやすくもなります。

 また、大量がゆえに、1匹1匹に丁寧な扱いを施すことも難しくなります。魚の締め方は、氷水の魚倉に入れることで行われる野締めが一般的です。

 それでも、日本の魚の扱い方は世界的に見ればかなり丁寧で、すぐに流通されればまったく問題ない鮮度で美味しくいただくことができます。しかし、次に述べる関サバと比較をするなら、その差は歴然です。特に、魚の扱いによって鮮度が落ちる早さが変わりますので、時間が経ってからの差は大きなものとなります。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.