同じ魚でも値段が違うのはなぜ？ 普通のサバと関サバで10倍ほどの差：魚ビジネス（2/4 ページ）

[ながさき一生，ITmedia]

　1尾4000円以上する関サバの場合、1匹1匹を丁寧に釣り上げる一本釣り漁で漁獲されます。一本釣り漁は、他の魚と擦れることもなく、針に掛かってからすぐに釣り上げられるため、魚がほとんど傷みません。

　さらに、釣り上げられたサバは、いっさい手で触れず、魚倉（ぎょそう）の中で生かされたまま水揚げをされ、生きたままセリに掛けられます。

網漁が悪いというわけではない（画像はイメージ、提供：ゲッティイメージズ）

　そもそも関サバは、大分県沖の潮の流れが早い豊後水道に生息し、寄生虫が寄りつかないくらい身が鍛えられています。それもありますが、以上のようなとびきりに良い扱いをされているため、お刺身で食べることも推奨できるくらいに鮮度が抜群なのです。これが、安いサバとは10倍ほどの価格差を生んでいる理由となります。

　ただ、網漁が悪いというわけではないので、誤解をしないでください。網漁の場合は、その中でできる鮮度保持方法の最善も尽くして、大量のサバをリーズナブルに届けることができます。

　高いサバしかないのも困りますし、どちらが良いのかは、扱う場面によるわけです。

　また、網漁の場合でも、その後に神経締めや血抜きなど、1匹1匹に丁寧な扱いを施してやることで魚の質も変わってきます。逆も然りで、いくら関サバといっても競り落とした後の扱いが悪ければ、品質が悪くなってしまいます。