サーモンはどうやって寿司になるのか 知られざる流通と加工の流れ寿司ビジネス(2/3 ページ)

» 2026年02月25日 08時00分 公開
[ながさき一生ITmedia]

 水揚げ後は鮮度を保つため、速やかに処理され、冷却されます。ここで、すでに3枚におろして半身にしたフィレ加工まで行われる場合もあれば、内臓のみを取り除いたセミラウンドなど、魚体1匹丸ごとの形で日本へ送られる場合もあります。ここは、用途やコスト、輸送方法によって、判断は変わります。

 サーモンは主に航空便、もしくは船便で日本へ運ばれます。航空便は早く、チルド(冷蔵)のままでも高鮮度を保てる場合もありますが、コストは高くなります。一方、船便は時間がかかる分、ほぼ冷凍での輸送となります。

 いずれの場合も、合間合間の輸送含め、低温を保つための温度管理が極めて重要になります。日本到着後は、通関や衛生検査を経て、国内の倉庫や加工場へと運ばれます。

(出典:ゲッティイメージズ)

 サーモンが日本国内に入ってくると、用途に応じて加工されます。どこで、どこまでさばくかはビジネス上の重要な判断です。

 現地で最初の簡単な加工をし、冷凍して国内へ運び、解凍してさらに加工するという場合もあります。海外で加工すればコストは下がりますが、日本で加工した方が品質調整はしやすくなります。また、凍結→解凍→凍結→解凍……を繰り返すと身質が壊れて品質が劣化するため、これをなるべく繰り返さないことも重要です。

 ちなみに、最終製品までに凍結1回の場合は、ワンフローズン。2回の場合はツーフローズンと言います。

 こうして加工されたサーモンは、冷蔵または冷凍の状態で店舗へ配送されます。店舗に到着してからは、冷蔵庫で温度管理をしながら保管され、提供のタイミングを待ちます。

 店内で切り付ける場合は、包丁の入れ方や厚みによって印象が変わります。なお、回転寿司などでは「店内切りつけ」と強調している場合を見かけます。これは、魚は細かくすればするほど鮮度劣化が激しくなる傾向にあり、あらかじめ切りつけておくよりも店内で切りつけた方が新鮮なものを提供できるためです。

 店内切りつけの逆は、センターや工場の切りつけです。こちらの方が各店舗に切りつけ技術のある人員がいらないので、オペレーションが楽になり、人件費も削れる傾向にあります。

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