ニデックが示した6項目は、大きく2つに分類できるでしょう。
(1)〜(3)が、元代表・永守氏指揮の下での企業文化、企業風土の問題。(4)〜(6)がいわゆる企業統治の問題です。さらに突っ込んで見ると、(1)の過度な株価至上主義を指示していたのは絶対的な立場にあった永守氏に他ならず、(2)の短期的な利益を優先し目標未達を許容しなかったのも永守氏の考え方に相違ありません。(3)の元代表の意向を優先する風土が永守氏自身によって醸成され、結果的に(1)と(2)の根本原因になっていることが分かるのです。
同様に(4)〜(6)に目を向けると「(4)ガバナンスの脆弱性」の具体例として、社外取締役の人選の問題があり、ここは注目に値します。現状の社外取締役は7人いるものの、官僚出身が4人、学者が2人、弁護士が1人という構成であり、公認会計士や企業経営経験者など、産業界に精通した人間が皆無なのです。当然のことながら、これらの人選に永守氏が大きく関わっていたことは疑う余地がなく、ここでも永守氏の影響力の大きさが原因の根底にあることが見て取れます。
内部統制やグループ会社管理体制の脆弱性についても、司令塔たる永守指示を優先するがゆえの内部統制の甘さであり、積極的なM&Aの結果として短期的利益を優先する永守イズムの流れから、利益をあげる推進体制の構築を優先した結果としての管理体制の脆弱性と考えるのが妥当であると思われます。
すなわち、同社が不適切会計疑惑の原因として掲げた6つの項目は、全てが創業者でありかつカリスマ経営者として組織をけん引してきた永守氏の存在に起因したものであると思われるのです。
「後継者不足」は大企業の方が深刻? 時価総額5兆円「日本電産」が渡せないバトンの行方
「オレは絶対に悪くない!」という“他責おじさん”が、なぜ出世するのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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