「脱・永守イズム」を完遂できるのか 不適切会計で揺れるニデックの会見から透けて見える「不安」(3/5 ページ)

» 2026年02月25日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

永守氏をいかに「排除」するかが大きなポイント

 筆者は、JPXから特別注意銘柄指定を受けた企業の改善計画を支援したことがあり、JPXの厳しい指導姿勢を肌で経験しています。ここからは、その経験を踏まえて、今後ニデックが対応すべき課題について具体的に触れていきます。

 オーナー系企業における創業家の排除はもとより、創業者、特にカリスマ経営者が存在する場合においては、その完全排除が求められます。

 すなわち、永守氏が代表取締役を退任した後も非常勤の名誉会長に就いている現状の処遇についても、恐らく今後強く否定されるでしょう。現職が見かけ上は「名誉職」であろうとも、引き続き職位をもつことで組織との関係が絶たれておらず、時間の経過とともに影響力が復活しカリスマ経営者の延命や復権に資する可能性があるからです。

 加えて、永守氏は個人で約8.6%、オーナー系資産管理会社で約3.5%、合計で約12%のニデック株を所有する大株主です。当然のことながら、仮に名誉職も含めた全職位を失ったとしても大株主としての影響力は残るわけで、これをいかに排除するかが次なる問題として控えています。考えられるのは、会社による永守氏の個人所有株の買い取りです。

ニデックの大株主トップ5(同前)

 現状のニデックの時価総額は約2兆8000億円であり、12%の持ち株となると安く見積もっても3000億円ほどにはなる計算です。同社は1兆円以上の内部留保がありますから、理論上は自己資金で買い取れるでしょう。

 この場合、買い取りによる株価の上昇やROE向上には資するものの、一方で財務体質の悪化や投資の縮小などの懸念もあり、一筋縄ではいかない問題をはらんでいます。この策を具体化するには、既存の大株主や取引先に、一部買い取り協力を求めるという策も検討せざるを得ないのではないでしょうか。

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