「パンチくん動画」はなぜバズったのか? IKEAで品切れ続出、150億ドルのぬいぐるみ市場スピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2026年02月25日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

「ぬいぐるみ業界」にとって頭の痛い問題

 タイでは、Instagramのフォロワー数1165万人を誇る国民的俳優、チョンプー・アラヤーさんなどの有名人が「モンチッチ」を投稿したところ「このキャラは何?」と話題になり、一気に流行したという。韓国でも、人気ドラマ『愛の不時着』で主演を務めたソン・イェジンさんらがバッグに付けたことで大きな話題となった。

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「モンチッチ」出典:セキグチ (C)SEKIGUCHI

 こうした「セレブマーケティング」以外にも、ぬいぐるみを世界的ヒットに導く方法がある。それは「世界的イベントでの露出」だ。ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート競技で、ポーランド代表選手が、得点発表を待つ間に、同国の伝統料理「ピエロギ」のぬいぐるみを掲げた。餃子のようなフォルムに笑顔があしらわれたその愛らしいぬいぐるみは、SNSで大きな話題となり、世界中から注文が殺到した。大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみがブレークしたのも同じ理屈である。

 要するに、現在の世界的なぬいぐるみ人気は、セレブや国際的イベントの情報発信力に大きく依存しているという現実がある。それは、ぬいぐるみ業界にとって頭の痛い問題でもある。

 自社のぬいぐるみを、フォロワー1000万とかのセレブがインスタに上げてくれるかどうかは、ほぼ運任せである。もちろん、PR会社やマーケティング会社の中には、「ウチのコネを使ってセレブに御社の商品を使わせます」という宣伝文句を掲げているところもあるので、そういうサービスを利用する手もあるが、それはそれで費用がかさむし、アップできたところで大してバズらない恐れもあるのだ。

 そんな課題を長年突き付けられてきたぬいぐるみ業界にとって、パンチくん動画の大バズりからのぬいぐるみがバカ売れという現象は、かなり衝撃だったはずだ。

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