セレブのバッグにぬいぐるみが付いている写真がインスタに掲載されれば「かわいい! 私もほしい!」となって確かに瞬間風速的に爆売れするが、それで終わりだ。
一方で「パンチくん動画」の場合、バカ売れするだけではなく「ぬいぐるみは寂しい子どもを癒す」という、この商品が本来持つ「効果」にも注目が集まって、息の長いロングセラーになるかもしれない。さらに「子ども・動物を守る」という意識が高まるので、IKEAの社会貢献活動にとってもプラスになる。
実はあのオランウータンのぬいぐるみには、IKEAが社会貢献として進める、熱帯雨林の動物の保護など意識啓発も込められている。また「IKEA Family募金」というものがあり、社会的・経済的に困難な状況下にある子どもたちのため、店舗近隣の支援団体をサポートしている。
今回の「パンチくん動画」の大バズりというのは、IKEAにとって「ぬいぐるみの品切れ」だけではなく、「ブランド価値」を向上させたのだ。
このような成功事例があると「ウチも」となるのは、どの世界も変わらない。今後、ぬいぐるみマーケティングの分野では、パンチくん動画のような方向性を打ち出す動きが増えていくのではないかと筆者は見ている。
つまり、ぬいぐるみによって、かわいそうな動物が救われたり、孤独な子どもが癒されたという「ぬいぐるみ美談」をSNSで積極的に拡散して、バズりを目指していくのだ。例えば、世界の動物園や動物保護の世界では、パンチくん以外にも、育児放棄されて飼育員に育てられている動物は数多く存在する。そこにぬいぐるみを寄贈すれば、今回のようなストーリーが生まれるかもしれない。人間社会にも、不幸な境遇の子どもはたくさんいる。
「そんなのヤラセじゃないか」とあきれるかもしれないが、これが「SNSマーケティング」と呼ばれる手法の現実である。ぬいぐるみメーカーがそこまでやらないにしても、この世界では、自発的にそのような「バズるストーリー」を仕掛ける人たちがたくさんいる。
「金になる」からだ。
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