Goの品ぞろえ限界に加え、JWOの大型店舗でのコスト課題を受けて、Amazonが食品スーパーマーケットの主力として据えたのが、タブレット端末が搭載されたAIレジカートの「Amazon Dash Cart」でした。
同社は2026年末までに数十のWhole Foods Market店舗へのDash Cartの展開を計画しています。つまり、Dash CartはFreshとともに消えるのではなく、Whole Foodsという本命の器に移し替えられたのです。
筆者はコロナ禍が収束しつつあった2022年10月にシアトルのAmazon Freshで実際に体験しました。
同サービスは、Amazonアプリの二次元コードをスキャンして利用をスタートし、アプリに登録されたクレジットカードで決済するため、レジでの作業や店員によるチェック作業は存在しません。専用レーンを通ってそのまま帰ることができます。
Dash Cartの特徴は3つ。第一に、カゴの中の4方向に設置されたカメラがバーコードを読み取るため、バーコードの向きを気にせず商品をカゴに入れるだけでよいこと。第二に、画像認識機能が備わっており、バーコードが読み取れなかった場合にも画像識別AIにより商品が登録できること。第三に、高精度の重量センサーが搭載されており、青果など重量で価格が決まる商品を正確に測定できること。
マイバッグをカートに入れておけば荷物の入れ替えが不要で、すぐに持ち帰れる。店側にとっては荷づくり作業台のスペースが不要になるメリットもあります。
タブレットカートの仕組み自体は、Amazonが最も優れたものを作り上げていると筆者は考えています。バーコードの位置を意識せずに欲しい商品をカートに放り込むだけで購買が完了する顧客体験は、他では味わえないものでした。
弱点としてはハードが高額であることと、初期型はかなり重かったことが挙げられますが、2025年に体験した第2世代では、センサー類を絞り込み軽量化と防水化を実現しました。2026年1月には、Whole Foods Market向けに再設計した最新モデルを発表。前モデルと比べて25%軽量化しながら、積載容量は40%増加しました。
テキサス州マッキニー、バージニア州レストン、マサチューセッツ州ウェストフォードの3店舗で先行導入され、顧客の10人中9人超が満足と回答しています。
Dash Cartが解決したのは、JWOでは対応しきれなかった大型店舗での実用性です。天井カメラで店舗全体を監視する方式ではなく、カート単位でセンシングすることで、売り場面積の制約から解放されました。食品スーパーマーケット規模の店舗では、JWOよりもDash Cartの方が適しているという判断は、AmazonがFresh店舗で両方式を比較検証したデータに基づいています。
さらに、Amazonアプリとの連動によるオムニチャネルの販促も可能です。ネットも含めた購入履歴と連動した買い物メモ機能に基づき、パーソナライズされたクーポンの提示ができます。Dash Cartは単なるレジ代替ではなく、オンラインとオフラインの購買データを統合する装置でもあるのです。
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