品ぞろえの限界はAmazon Goだけの問題ではありません。食品スーパーマーケット業態として展開したAmazon Freshでも、同様の構造的課題が現れました。
筆者がFreshを2022年に初めて体験した時、JWOを大型店舗で実現した技術には驚きました。日本でいう大型スーパーサイズの1500坪以上ある店舗をJWOで運営していたのです。
Goよりも圧倒的に店が広く、来店客数が多く、滞在時間も長い。なぜこの業態にJWOを導入したのか。筆者の推測では、コロナ禍の影響もありGo出店が当初予定ほど進まず、余ったハードと人的リソースを使って、AIの精度向上に欠かせない顧客行動データの取得に使っていたのではないかと考えています。
Amazon Freshは競合のスーパーと同じような品ぞろえと価格設定で、WalmartやALDIのような安さがあるわけでも、WegmansやHy-Veeのように魅力あふれる作りたて商品がそろっているわけでもありませんでした。
スーパーマーケットは地域商圏型の業態です。来店客は自宅や職場の近くにある店を週に数回利用する。その選択基準は、生鮮食品の品質、品ぞろえの幅と深さ、価格、そして総菜やベーカリーの魅力などがあります。レジ方式が革新的かどうかは、来店理由の上位ではないのです。
米国のスーパーマーケット市場では、有力企業がそれぞれ地域密着や品ぞろえ特化、PB強化などの明確な強みを持っています。
Whole Foodsにはオーガニック・ナチュラル志向という、45年かけて築いたブランドポジションがある。対するFreshは、これらと比較した時に「わざわざここで買う理由」を提示できませんでした。JWOや、後述する「Dash Cart」などの技術的差別化は、スーパーマーケットの本質的な競争軸である商品力とは別の次元の話だったのです。
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