一方で、考えておくべき点もある。
深夜料金の設定は、「現状の仕組みを維持する」側面が強い。長い営業時間を維持するため、そのコストを補う手段として深夜料金を導入している。
ただ、現実を見ると、人口減少とそれに伴う働き手不足なども起こっている。その中で、そもそもこうした長い営業時間が本当に必要なのかを考える必要がある。例えば、サイゼリヤはコロナ禍で短縮した営業時間について、コロナ収束後も、原則として深夜営業を止める方針を掲げている。
もちろん、この点については、仕事の都合などで深夜帯しか外食できない人々の存在も考慮する必要がある。実際、ガストでは2020年に深夜営業を廃止したが、その後多くの店舗で深夜帯の営業を復活させている。
この背景には、特に都市部の顧客から、深夜営業への要望が多かったことがある。ただ、ファミレスは食事以外の利用もあるため、やや特殊な例かもしれない。特に、はま寿司のような回転寿司チェーンの場合、ファミレスに比べれば「深夜まで開いていてほしい」という要望は減るはずだ。
その意味でも、外食チェーンにおいて、深夜帯も営業することが必要なのかどうかは、もう一度検討してみる必要があるのではないか。現行システムの維持と経営規模の縮小のバランスを見直す局面にあることは事実である。
はま寿司の深夜料金設定というトピックは、こんなことも考えさせてくれるのだ。
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。
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