なぜ若者が「編み物」にハマるのか カフェでは“編み活”、毛糸売上は2年で6倍(5/5 ページ)

» 2026年03月08日 08時30分 公開
[小林香織ITmedia]
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「編み物ブーム」が長く続く背景

 コロナ禍にじわじわと始まった国内の編み物ブームは、先述した宮脇さんのInstagram投稿により、2024年秋冬に爆発的な人気となった。そこで、各社がこぞって新商品やイベントを展開するなどブームを後押ししているわけだが、そもそも編み物には、現代の若年層にマッチする要素が多いという。

 「『編み物セラピー(ニットセラピー)』という言葉があるぐらい、編み物は癒やし効果が高いと言われます。デジタルデトックスとして没頭する人が多いのかもしれません。編み方のバリエーションが多く、長く楽しめる趣味でもあり、2〜3本の異なる糸を1本の糸として編む『引き揃(そろ)え』など高度な技法に挑戦する人もいますね。SNSとの相性も良く、YouTubeをお手本にして編む人も多いようです」(齋藤氏)

編み物は「リラックス効果」が高く、デジタルデトックスになるという(筆者撮影)

 フェリシモの小久保氏、植田氏も同様の見解を示した。

 「デジタルデトックスの要素は強いと思います。加えて、自身の編み物をSNSに投稿して反応を得ることで承認欲求が満たされやすく、『人とカブらないモノを持ちたい』と考える若年層にもマッチしています。若年層の間では、宮脇さんも好む『かぎ針編み』が流行っていて、ポーチやチャーム、マフラーなど実用的なアイテムを編む人が多いですね」(小久保氏)

 一過性のブームではなく文化としての定着を目指すクチュリエでは、新進気鋭のクリエイターとコラボするなど、積極的な展開を続けるという。オカダヤでも毛糸の品ぞろえを充実させるほか、編み物関連のワークショップを継続開催していく予定だ。編み物には、一度ハマると抜けられない魅力があるのかもしれない。

著者プロフィール:小林香織

 1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。

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