「転勤に最大100万円」それでもなぜ解決しない? 企業が制度を見直す理由(3/5 ページ)

» 2026年03月13日 08時30分 公開

東京海上日動も人事制度を刷新

 東京海上日動は2026年4月から、人事制度を大きく刷新する。最大の変更点は、従来の「総合職」と「総合職(エリア限定)」の区分を撤廃し、一本化することだ。

 新制度では、全社員が中長期的な生活拠点となる「本拠地」を設定し、転居を伴う転勤への同意の有無を毎年選択できる。ライフイベントに合わせて柔軟に対応でき、同意する場合も「国内外を問わない」か「本拠地を含む一定地域内」かを選べる仕組みだ。転居転勤に同意しなくても、評価や昇給に影響は一切ない。

photo 東京海上日動も人事制度を刷新(画像はイメージ、提供:写真AC)

 従来は「社命による転居転勤の可能性があること」自体に対して、総合職に追加の手当を与えていたが、新制度では「実際に転居転勤している状態」に対して、手当を支給する形に転換する。

 「転居転勤サポート手当」は月額10万〜13万4000円で、本拠地から赴任地までの距離に応じて変動する。この手当について、同社は「経済的負担や心理的負担に対する支給であり、転居転勤を促す目的で支給するものではない」と線を引く。

 制度改定の背景には、共働きの普及や若年層の価値観の多様化がある。同社によると、首都圏を中心に「社命でどこに行くか分からない」という仕組みを敬遠する人が増えていた一方、地域採用では全国転勤の総合職募集がなかったことで、他社に人材が流れるケースがあったという。

 新制度への移行にあたっては、数年にわたり労働組合との対話を重ねた。既存社員への適用にも、移行措置や経過措置期間を設け、処遇が急激に変動しないよう配慮した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR