「転勤に最大100万円」それでもなぜ解決しない? 企業が制度を見直す理由(5/5 ページ)

» 2026年03月13日 08時30分 公開
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問われる制度設計

 サントリーHDと東京海上日動に共通しているのは、金銭的な手当だけでなく、制度全体をパッケージとして再設計している点だ。エリア限定制度や、毎年選択できる仕組みを同時に導入することで、社員自らがキャリアや生活を選べる仕組みを整えた。金銭的手当の拡充は転勤への納得感を高める有効な手段だが、それだけでは十分とはいえない。

 転勤を理由に離職した人に「どんな制度があれば辞めずに済んだか」を聞いたパーソル総合研究所の調査では、「手厚い転勤手当の支給」(57.9%)に加え、「一時的なコース変更」(55.3%)や「本人の希望の反映」(53.9%)が上位に挙がった。

photo どんな制度があれば辞めずに済んだか(パーソル総合研究所の調査より引用)

 求められているのは、金額の多寡ではなく、個人のキャリア意思をどこまで尊重できるかという制度設計の思想だ。転勤制度は「会社が決めるもの」から「社員と対話しながら設計するもの」へと転換期を迎えている。その対話の質が、今後の人材獲得や定着を左右しそうだ。

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