「売上7割」の楽天市場から撤退、なぜ? 社員も大量離職…… それでも決めた“老舗家具店3代目”の狙い(5/6 ページ)

» 2026年03月17日 05時00分 公開
[米倉志保ITmedia]

撤退後は実店舗に注力

 楽天から撤退した後は、実店舗に注力した。オリジナルブランド「SENSO de VITA」として、タイからアウトドア家具やリゾート風の照明を直接仕入れるなど、独自の商品展開にも取り組む。

 来店客が実際に椅子に座ってみて、個人の体形に合わせて椅子の脚の長さを調整するといった、店舗でしか提供できない価値も増やした。かつては裏方として仕事をしていた金谷社長も、現在は店頭に立つ。

一人一人に合わせた家具を提案

 これまで自店の利用客向けだったショールームは、インテリアコーディネーターや設計士、デザイナーにも開放した。商談や打ち合わせの場として活用され、実際に家具を見てそのまま購入につながるケースも増えたという。

 加えて、セミナーやイベントの会場の場としても店舗を活用。2025年6月には、インテリアコーディネーター主催の、加齢に伴う身体の変化に配慮したインテリアを紹介するセミナーを実施した。参加者の多くは同業のインテリアコーディネーターで、実際の家具を前に知見を深められる場となった。

 また、護身術講座や漬物教室、茶道体験会といった、一見すると家具とは無縁な取り組みも展開している。金谷社長がよいと思ったものを「健康で豊かな暮らし」としてさまざまな面から発信する。

セミナーの様子

 金谷社長は「いい暮らしのベースは健康だと思っている。いいものを紹介して、トータルでいい暮らしを発信していきたい」と意気込む。

 こうした取り組みにより、撤退を決めた翌年には黒字へ転換。2025年には撤退後にあった不安も解消されたという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR