セブン-イレブン、ユニクロ、DZマート、ワークマンプラスはいずれも、テクノロジーの導入以前に前提を変えています。
AIを導入すれば、業務効率は上がります。資料作成は速くなり、分析は精緻になり、意思決定のサイクルも早まるでしょう。しかしDG TAKANOの代表取締役高野氏は、その「前提」の認識こそ危ういと指摘します。「AIは判断しません。最適化するだけです。前提が正しければ成功は加速します。しかし前提が誤っていれば、失敗も加速します」と。
効率が上がると「やれている感」は生まれます。会議は減り、資料は整い、KPIは改善する。しかし戦う土俵が間違っていれば、壁に向かってアクセルを踏んでいるにすぎません。AIは経営者の判断を拡張する装置ですが、判断の前提そのものを修正する装置ではありません。何を拡張するかは、あくまで前提次第です。
AIはこれからも進化し続けます。しかしどれだけ高性能なAIを導入しても、それは経営者が設定した前提を、より速く、より正確に実行するだけです。前提が正しければ、AIは最強のアクセルになります。前提が間違っていれば、AIは最速で袋小路に連れていく装置になります。
このまま5年後、10年後も今の延長線上に自社がある──それは本当に望む未来でしょうか。もし答えがノーなら、AIに何をさせるかの前に、自社が無意識に置いている前提を問い直すことから始めるしかありません。
努力ではなく前提。効率化ではなく土俵返し。AIを味方にするDXは、そこから始まります。
セルフレジ、AI導入……あなたの会社の「小売DX」が全て失敗に終わるワケ 見落としがちな「前提設計」の重要性
Amazonの相次ぐ「リアル店舗撤退」が示す 「PoC→いつの間にか撤退」を繰り返す日本企業との"仕組みの差"Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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