やっぱり売れたジムニーノマド 4ドア化でも“本格オフローダー”が支持された理由高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

» 2026年03月20日 08時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

4ドア化だけではない、入念な作り込み

 そもそも、ジムニーの4ドア版という発想はいつからあったのだろうか。開発にはどれくらいの年月を要し、解決すべき問題は何だったのか。

 「ジムニーノマドは、2020年頃から量産に向けた開発をスタートしました。開発には約4年かかりました。開発において苦労したのは、ジムニーシリーズ共通のコンセプト『本格的な悪路走破性を持つコンパクトクロカン4X4』を守りつつ、後席の高い乗降性、乗り心地、居住性の実現および室内、荷室拡大を両立できるホイールベースを決定することでした」(スズキの広報担当者)

 2019年の東京モーターショーで、スズキはジムニーシエラをベースにボディ後半を荷台に改装したピックアップ仕様のコンセプトカーを発表し、かなりの反響があった。しかし、4ドア化とピックアップではシャーシの負担が大きく異なることから、ピックアップ仕様はあきらめ、4ドア化を進めることにしたのだろう。

 ジムニー/ジムニーシエラでも4人乗車は可能だが、ドア開口部が限られることから後席は乗り降りしにくい。4人分の手荷物をラゲッジスペースに収めることも難しい。リアシートを畳んでラゲッジスペースとして使うことで実用性を確保する、実質的には2シーター車ともいえる。

ジムニーシエラのラゲッジスペース。リアシートを畳めば十分に荷物を積めるが、4人乗車では人数分の手荷物を積むのは難しそうだ。ルーフキャリアやルーフボックスを使う手もあるが、気軽に積み下ろしができない(筆者撮影)

 ジムニーノマドは、単にシエラの後ろ半分を延長しただけでなく、フロントドアをやや短縮し、センターピラー(ドアを保持する柱)の位置を変更している。これにより、後席の使い勝手や快適性の向上を実現しているのだ。

 また、4ドアとすることで後席の乗降性が向上するだけでなく、ドライバー1人だけで移動する際も使い勝手が良い。買い物などでちょっとした荷物がある場合、ラゲッジスペースに入れるほどではない荷物や、頻繁に手に取るものを後席に置けるため便利だ。

ジムニーノマドの室内。全長を340ミリ延長した分は、ほぼラゲッジスペースに充てられている。それでもリアシートの座り心地や乗降性なども向上しており、ファミリーカーとしても使えるようになった(写真:スズキ)

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