他の国産クロスカントリーモデル(トヨタ・ランドクルーザー/三菱ジープ/日産サファリ)が米国の軍用車であったジープを模倣したものがルーツとなっているのに対し、ジムニーは、軽自動車ならではの小型軽量を生かし、独自に開発された。
そもそもジムニーはスズキが開発したのではなく、ホープ自動車という軽自動車メーカーが作り上げたものだ。高度成長期の日本では軽自動車メーカーが乱立。差別化を図るため、ホープ自動車はジープタイプの軽自動車「ホープスターON型4WD」を1967年に開発する。
これは単なる軽自動車規格の4WD車にとどまらない、本格的な悪路走破性を備えたクルマだった。だが、ホープ自動車には量産化する体力がなく、製造権を他社に売り渡すことになった。
このクルマに対して、他の自動車メーカーは興味を示さなかったが、スズキの前会長である故・鈴木修氏が、周囲の反対を押し切って製造権を買い取り、量産化を進めた。そして、1970年にジムニーを発売したのだ。
ジムニーは、現行モデルのスクエアなシルエットにゴツゴツしたディテール、丸いヘッドライトを組み合わせたスタイリングが、アウトドアブームの影響もあって大ヒット。2018年以来、バックオーダー(在庫がない商品の注文を受け付けること)を抱え続けるほどの高い人気を維持している。
それでもジムニーで本格的にオフロード走行を楽しんでいるのは、ユーザーの1割にも満たないだろう。キャンプなどのアウトドアで未舗装路を走るユーザーは多いだろうが、その程度の走破性なら生活四駆(一般的な乗用車の4WD仕様など)と呼ばれるクルマでも十分だ。
しかしジムニーは、いざとなれば険しい岩場や大きな傾斜も走破できるリアルオフローダーだ。これを乗り回すことで非日常的な満足感を得ているユーザーも多いのだ。
そのため、ジムニーシエラ/ノマドはアフターマーケット(カスタムやアクセサリーパーツなど、車両販売によって生じる二次的な市場)でも需要が高く、フロントグリルやホイール、外装のアクセサリーなども豊富に用意されている。
SUVやブランドのヒエラルキーにとらわれない、独特の世界観がジムニー人気を支えているのだ。
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