岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。
最近、コンビニ各社のプライベートブランド(PB)商品に、こだわりアイテムや、高級なものが増えています。中でもセブン&アイ・ホールディングス(HD)の「セブンプレミアム」は、次々と新商品を開発・販売し、売り上げを伸ばしています。
そのセブンプレミアムで、最も売れている商品が「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」というカップ麺だと聞き、私は驚きました。これは人気ラーメン店の蒙古タンメン中本が監修し、即席麺業界最大手の日清食品とセブン&アイHDが共同開発した商品です。
なぜ、カップ麺がセブンプレミアムの中で売り上げ1位となったのか。また、最近のコンビニのPB商品はどのように変化し、一番売れている商品にはどんな秘密があるのか。流通小売り・サービス業のコンサルティングを35年以上続けているムガマエ代表の岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。
カップ麺の中ではなく、全てのPB商品の中で売り上げ1位の蒙古タンメン中本 辛旨味噌(2025年実績)。
2位は「毎日の食卓牛乳」、3位は「ジャスミン茶」で、蒙古タンメン中本のカップ麺は、牛乳やペットボトル飲料より売れているのです。これには本当に驚きました。
2024年のランキングも、やはり1位は蒙古タンメン中本のカップ麺で、2位が毎日の食卓牛乳でした。
他にも「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」という、セブンプレミアムのオリジナル冷凍ラーメン(321円)も定着しています。
日本では牛乳の消費量が年々減少しているとはいえ、2025年度の総務省家計調査によると、牛乳の2人以上世帯の平均年間消費支出額は1万5875円。29歳以下に限定しても8067円です。一方、カップ麺の家計消費支出額は6006円。29歳以下では4853円でした。
明らかに牛乳の方がマーケットサイズは大きく、単純計算でカップ麺の2.6倍の消費額。29歳以下に限定しても1.6倍あります。
牛乳は地域や年代に関係なく、年中消費する商品であるため、牛乳が売り上げ1位となるのが普通です。実際、牛乳はどこのスーパーやコンビニでも販売数量、金額共にトップクラスに売れる商品。しかし、セブンプレミアムの1位は蒙古タンメン中本のカップ麺なのです。
「これは日本の消費特性を覆すような特徴のある単品に違いない」
私はそう感じて、この商品の監修元である「蒙古タンメン中本 上板橋本店」に向かいました。
なぜ、セブンは一部店舗で“要塞レジ”を導入したのか 開発期間は3年 ある種の威圧感はカスハラにも効果あり?
セブン、次の一手は“自宅ご飯” 「売上はまだまだ伸ばせる」、その理由は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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