蒙古タンメン中本のカップ麺を実際に食べてみると、その人気の理由がはっきり分かりました。本店の本物の味を「完全には再現しようとしていない」のです。
店舗で食べた強烈な辛さをそのまま再現すれば、辛いものが苦手な人は食べられません。また、実店舗の味が大好きなファンにとっては、辛味がないと物足りないと感じる可能性があります。
だからこそ、ベースのスープの味はできるだけ本物を再現しながら、カップ麺独自の「辛味オイル」を別添えにすることで、自分好みの辛さに調節できるようにしているのです。これにより、辛さを求める層から、辛さが苦手な層までをカバーできる商品となり、購入客層が広がったと考えられます。
ここに、同商品が売れ続けている理由があります。
売れるPB商品の条件は、あらゆる層に愛されること。これを「全客対応商品」と言います。性別や年齢、居住エリアに関係なく、全客対応商品にするために商品改良を続けたことが、商品の大ヒットにつながったのです。
PB商品は、今やどの店舗でも見られるようになりました。日本の小売業がよりもうかる経営体質にするためには、メーカーからの仕入れだけでなく、粗利率が高くとれるPB商品開発は必須なのです。
特にカップ麺に注目する企業は多く、日本即席食品工業協会によると、2024年度はJAS製品のみで年間1218アイテムが発売されました。
蒙古タンメン中本のカップ麺は、2008年に関東・甲信越エリアのセブン-イレブンで発売されました。売れ行きが好調だったことから、全国のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンとグループ企業の各店舗へと販売網を拡大しました。
ちぢれ麺からストレート麺に変え、麺やキャベツを増量し、スープの味も改善。商品の質を追求した結果、圧倒的に売れ続ける単品になったのです。
セブンプレミアムが広く支持されるのは、商品へのこだわりが理由です。
もともと健康上の理由で店を閉じた先代の中本正氏。そこに、現在の蒙古タンメン中本の運営会社である誠フードサービス代表取締役の白根誠氏が通って直談判し、2000年に再オープンしたのが蒙古タンメン中本 上板橋本店です。
そうした歴史もあり、セブンプレミアムの開発者は実際の店舗に定期的に通い、カップ麺でどのように再現するのかを真剣に考えたのです。結果的に蒙古タンメン中本のカップ麺は妥協が一切ない味となり、ロングセラー商品となりました。
なぜ、セブンは一部店舗で“要塞レジ”を導入したのか 開発期間は3年 ある種の威圧感はカスハラにも効果あり?
セブン、次の一手は“自宅ご飯” 「売上はまだまだ伸ばせる」、その理由は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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