なぜ、蒙古タンメン中本のカップ麺は、「茶」「牛乳」より売れてるのか 「セブンプレミアム」一番人気を維持する商品力に迫る(4/5 ページ)

» 2026年03月30日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

蒙古タンメン中本のカップ麺、人気の理由は?

 蒙古タンメン中本のカップ麺を実際に食べてみると、その人気の理由がはっきり分かりました。本店の本物の味を「完全には再現しようとしていない」のです。

 店舗で食べた強烈な辛さをそのまま再現すれば、辛いものが苦手な人は食べられません。また、実店舗の味が大好きなファンにとっては、辛味がないと物足りないと感じる可能性があります。

 だからこそ、ベースのスープの味はできるだけ本物を再現しながら、カップ麺独自の「辛味オイル」を別添えにすることで、自分好みの辛さに調節できるようにしているのです。これにより、辛さを求める層から、辛さが苦手な層までをカバーできる商品となり、購入客層が広がったと考えられます。

 ここに、同商品が売れ続けている理由があります。

 売れるPB商品の条件は、あらゆる層に愛されること。これを「全客対応商品」と言います。性別や年齢、居住エリアに関係なく、全客対応商品にするために商品改良を続けたことが、商品の大ヒットにつながったのです。

徹底的に商品を改良し続ける

 PB商品は、今やどの店舗でも見られるようになりました。日本の小売業がよりもうかる経営体質にするためには、メーカーからの仕入れだけでなく、粗利率が高くとれるPB商品開発は必須なのです。

多くの小売り企業が力を入れるPB商品開発(出典:セブンプレミアムの公式Webサイト)

 特にカップ麺に注目する企業は多く、日本即席食品工業協会によると、2024年度はJAS製品のみで年間1218アイテムが発売されました。

 蒙古タンメン中本のカップ麺は、2008年に関東・甲信越エリアのセブン-イレブンで発売されました。売れ行きが好調だったことから、全国のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンとグループ企業の各店舗へと販売網を拡大しました。

 ちぢれ麺からストレート麺に変え、麺やキャベツを増量し、スープの味も改善。商品の質を追求した結果、圧倒的に売れ続ける単品になったのです。

 セブンプレミアムが広く支持されるのは、商品へのこだわりが理由です。

 もともと健康上の理由で店を閉じた先代の中本正氏。そこに、現在の蒙古タンメン中本の運営会社である誠フードサービス代表取締役の白根誠氏が通って直談判し、2000年に再オープンしたのが蒙古タンメン中本 上板橋本店です。

 そうした歴史もあり、セブンプレミアムの開発者は実際の店舗に定期的に通い、カップ麺でどのように再現するのかを真剣に考えたのです。結果的に蒙古タンメン中本のカップ麺は妥協が一切ない味となり、ロングセラー商品となりました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR