なぜ「プリ機」は約30年、JKに愛され続けるのか “激盛れ”から“ナチュラル”、そして全世代対応へ(3/6 ページ)

» 2026年04月16日 05時00分 公開
[米倉志保ITmedia]

JKのトレンドを追い続けられるワケ

 ここまで絶えず変化してきたプリ機だが、新機種の開発には1年以上かかる。フリューは2024年度に8機種を投入したが、開発時点でのトレンドをそのまま取り入れていては、発売時には時代遅れになってしまう。

 フリューの管理本部広報部の疋田裕貴氏は、新機種の開発について「トレンドの予測ではなく、提案をしている。これが流行る、楽しいよねというものを、こちらからお届けしている」と話す。

「姫と小悪魔」(2006年)

 新機種の企画担当は20〜30代の女性社員が中心だ。日頃から流行に敏感な人が多いという。さらに年間300回以上、ユーザーインタビューも重ねる。開発途中の新機種を実際に女子高生に体験してもらい、意見を取り入れていく。

 「グループインタビューでニーズを吸い上げて機種に反映させているのかとよく聞かれるが、女子高生は『これが欲しい』というのが出てこない。そのため『これ楽しい?』とこちらから提案する。感覚的な感想が多いので『ちょっと微妙かも』と言われたら、どう微妙なのかを掘り下げる。提案するコンセプトや届けたい体験の軸はぶらさずに、より女の子たちに受け入れてもらえる形にすり合わせていく」(疋田氏)

 企画したコンセプトを実際のプリ機に搭載する技術者は、男性社員が多い。彼らも女子高生へのインタビューに直接参加し、今どのような写りが求められているのかを学ぶ。その上で、目の大きさや輪郭の補正などを1ミリ単位で細かく調整し、新しい機種として“盛れる写り”を作り込んでいく。

「LADY BY TOKYO」(2011年)

 こうしたヒアリング重視の姿勢には、過去の失敗経験がある。フリューは1997年、撮影した顔写真を似顔絵にして印刷する「似テランジェロ」を発売した。

 疋田氏は「他社と差別化した商品を作れないかと、撮って写真にするのではなく似顔絵にした。当時は全くヒットしなかった」と振り返る。

 当時のプリ機市場は30〜40社ほど競合があったため差別化を図ったものの、ユーザーが本当に求める体験とは、ずれが生じていた。この反省から同社は、ユーザー理解を最優先に据えるようになった。

 疋田氏は「楽しみ方や写りは時代によって変化している。大きく写りを変えると、ユーザーは追い付けずに離れてしまう。でも変化しないと飽きられる。プリを飽きられずに楽しんでもらえるよう、少しずつ写りを変えながら高頻度で新機種を出してアップデートしている」と語る。

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