なぜ「プリ機」は約30年、JKに愛され続けるのか “激盛れ”から“ナチュラル”、そして全世代対応へ(4/6 ページ)

» 2026年04月16日 05時00分 公開
[米倉志保ITmedia]

プリ機が30年愛される、3つの理由

 なぜプリ機は世代が変わっても女子中高生に支持され続けるのか。フリューは、その理由を大きく3つに整理する。

「姫組feat.Lumi」(2006年)

 1つ目は、自信を持ちたい、理想の自分でいたいといった「自己肯定感」を高めてくれるからだ。プリ機は、肌を明るく見せたり、目を自然に大きく補正したりと、誰でもかわいく写るように設計されている。特別な撮影技術や加工知識がなくても問題ない。若年層にとって「かわいい自分たち」を1枚のシールとして残せることが、大きな魅力になっている。

 2つ目は「自分たちらしさ」を自由に表現できる点だ。ポーズ、表情、服装、髪形、落書きなど、プリ機には自分たちらしさを表現できる要素が多い。日付やその日に訪れた場所を記入して日記風にしたり、おそろいの洋服や小物で一体感を出してみたりと、友人と一緒に「特別な1枚」を完成させるそうだ。

「THECANDYSTUDIO」(2018年)

 3つ目は友人と一緒に楽しむ「体験そのもの」に価値がある点だ。プリ機は、ただ写真を撮るだけではない。撮影ブースの中でポーズを相談し、撮影後には画像に落書きを加え、出来上がったシールを分け合う。ノートに貼ったり、SNSに投稿したりするところまで含めて、一連のエンタメとして成立している。

 疋田氏は「プリは盛れるだけの機械ではなく、コミュニケーションツール。撮影を通じて仲を深めたり、思い出を形にしてもらったりしてほしい」と話す。撮影時の空気感までを1枚のシールに閉じ込められることが、スマホでの撮影にはない魅力だという。

「Misēl(ミセル)」(2026年)

 スマホにも加工アプリがあるが、それでもプリ機が選ばれるのは「楽しみながら、その場の思い出を形に残せる」からだ。実際、友人と遊びに行った日、文化祭や卒業式といった学校イベント、さらには「推し活」としてライブやイベントに参加した日などの記念として活用されているという。「かわいく思い出を残したい」「楽しかった気持ちを形にしたい」といった女子中高生のニーズに応える存在なのだ。

 23歳の筆者自身も、高校の新学期初日、まだ打ち解けていない同級生と一緒にプリを撮りに行った経験がある。初対面ではぎこちなかった相手とも、狭いブースの中でポーズを決め、落書きをしているうちに自然と会話が弾んだ。

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