2025年の「医療機関」倒産、過去20年で最多 歯科医院で淘汰進む

» 2026年04月21日 05時00分 公開
[ITmedia]

 東京商工リサーチは、病院・クリニック(診療所)・歯科医院を含む「医療機関」の倒産動向を調査した。2025年度の倒産は71件(前年度比20.3ポイント増)で、2006年度以降の20年間で最多となった。

東京商工リサーチが調査(提供:ゲッティイメージズ)

 コロナ禍の2020年度は各種支援によって25件にとどまり、2021〜2022年度もそれぞれ37件と低水準で推移した。2023年度に53件へ急増し、2024年度は59件、2025年度は71件と増加が続いている。

 医療機関の倒産は、患者の受診機会の喪失につながる。特に高齢化が進む地方では影響が大きい。東京商工リサーチは「医療難民を作らないためにも抜本的な支援策と同時に、M&Aなど存続に向けた取り組みが加速する可能性が出てきた」と指摘した。

病院・クリニック・歯科医院の倒産件数(出所:プレスリリース)

 業態別では「クリニック」が32件(前年度28件)、「歯科医院」が31件(同20件)で、いずれも最多を更新した。特に、歯科医院では前年度から約1.5倍に増加した。20床以上の入院設備を持つ「病院」は8件(同11件)と減少したが、コロナ禍以降では前年度に次ぐ高水準にある。

 原因別に見ると「販売不振」が47件(66.1%)で最多となった。「既往のしわ寄せ」が16件(22.5%)で続き、この2項目で全体の約9割を占めた。

 病院やクリニック、歯科医院は、人口減少による患者数の減少や経営者の高齢化、人手不足、設備の老朽化など課題を抱える。加えて、光熱費や人件費、備品代の上昇で診療報酬とのバランスが崩れ、収益環境は厳しさを増している。

 形態別では「破産」が69件(前年度比18.9ポイント増)と、97.1%を占めた。再建型の民事再生法は2件にとどまり、経営悪化後の立て直しが難しい実態がうかがえる。

 本調査は、日本標準産業分類の「病院」「一般診療所」「歯科診療所」を対象に、2025年度に発生した負債1000万円以上の倒産を集計、分析した。

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