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IQ142の「天才AI」で飛躍する企業・沈む企業 「勝者と敗者」を分ける決定的な要素とは?(2/2 ページ)

» 2026年04月21日 07時00分 公開
[湯川鶴章、エクサウィザーズ AI新聞編集長]
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AIが幼児のように自ら育つ「継続学習」

 とは言うものの、AIはさらに進化しようとしている。アルトマン氏も「今のAIには一つ欠けている能力がある」と言う。それは「今日はできなかったことを自分で認識し、学び、翌日にはできるようになって戻ってくるという、継続的な自己学習能力だ」としている。

 同氏は「幼児ができるような、こうした継続的な学習能力は、私たちがこれから作る必要のある重要な要素の一つだと思います」と語っている。

 この「継続学習能力」を、AIはいつ身につけることができるのだろうか。X(旧twitter)上の研究者たちの投稿を見ていると、継続学習能力が実現する時期が迫っている気配を感じられる。

 AI研究者のパラス・チョプラ(Paras Chopra)氏は、「継続学習が次のBig Thing(大きな出来事)だ」と投稿。同じくマーク・クレッチマン(Mark Kretschmann)氏は「2025年はエージェントの年。2026年は継続学習の年」と投稿している。英Google DeepMindの研究者のヴァルン・モハン(Varun Mohan)氏は「2026年はエクサイティングな年になる。われわれは、継続学習で大きく前進する」と投稿している。

 OpenAIの元チーフサイエンティストでAI業界の伝説的エンジニアの一人、イリヤ・サツケバー(Ilya Sutskever)氏は、人気ポッドキャスト「Dwarkesh Patel」に登壇し、継続学習の現状や、社会への影響について1時間以上も語っている。

 その中でサツケバー氏は、継続学習能力を「新しい経験・データ・環境変化を取り込みながら、過去に学んだことを壊さず、判断や行動を更新し続ける能力」と定義している。これが今のAIに最も必要な能力で、継続学習ができるようになったAIをいろいろな領域に投入すれば、AIはその領域に必要なスキルや知識を次々と学習して賢くなっていくという。それぞれの領域で賢くなったAIが統合されれば、どんな領域のことにも詳しい超知能が完成するとしている。

 同氏は、継続学習の実現は十分に可能で、実現のためのアイデアもある、と語っている。

企業は「活用」で飛躍するか、取り残されるか

 2026年、まずは今のAIを活用することが最大の課題だ。活用できるかどうかは、AI開発企業側ではなく、AIのユーザー企業側の取り組みにかかっている。活用できた企業は、今年が大きな飛躍の年になることだろう。

 そして継続学習が今年中に実装されれば、AIは今年、さらに次のステージに進むことになる。AGIが実現したかどうかの議論はさておき、産業界の変化は加速する一方だ。

本記事は、エクサウィザーズが法人向けChatGPT「exaBase 生成AI」の利用者向けに提供しているAI新聞「AGIは実現したということで、次に行こう」(2026年1月6日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。

著者プロフィール

湯川鶴章

AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。


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