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「売れるモノ」にしかない秀逸コンセプトをつくる、4つの“勝ちパターン”(2/2 ページ)

» 2026年05月02日 08時00分 公開
[篠崎友徳ITmedia]
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「軽くて疲れにくい靴」をどう表現する?

 3つ目は「例え型」のコンセプト。既存の価値を、新しい比喩(例え)を加えて強く感じさせる言葉のつくり型です。

 基本形は「新しい例え」のような「一般的な価値」

 作り方は、まずコンセプト後半の一般的な価値の部分に「例えたいもの」を入れます。これは一般的な価値のあるものです。

 次に、その例えたいものについて、新しい比喩(例え)となる言葉を、前半の新しい例えの部分に入れます

 ポイントは、この「新しい例え」に入れる言葉は、もともとその一般的な価値のもののカテゴリーでは、使っていなかった言葉にすることです。

 意外な言葉の組み合わせを用いて、インパクトを作り出すのです。

 例えば「『雲』のような『スニーカー』」というコンセプトは、まさに例え型に当たります。

 ここに「『フワフワで軽くて疲れにくい』という価値が直感的に感じられるスニーカー」があったとします。

 それに対して「何か意外性のある言葉、スニーカーとは縁遠い言葉でうまく例えられないか?」と考えた結果として「軽いという感覚は、まるで雲のようだ」という発想が生まれ、このコンセプトはそんな意外な組み合わせをストレートに表現しています。

 このように、直感的に軽くて浮き上がるように感じられる「雲」という言葉を、普段は組み合わされない「軽量スニーカー」に当てはめてみる。そのことで、目を引く斬新なコンセプトが生まれるのです。

 例え型のコンセプトには、他にも以下のようなものがあります。

ヘアケア商品のコンセプト

恋という強い感情の言葉を、シャンプー後の髪の美しさ、仕上がりのよさにたとえる。
→「恋をしたとき」のような「輝く髪」へ

アパレルブランドのコンセプト

どんな場所でも、日常に溶け込む美しさを表す言葉で、日常服をもっと魅力的に見せる。
→「余白」のような「服」をまとう

企業のコンセプト

無邪気さや好奇心や純粋さを持った言葉で、企業理念を再定義する。
→「少年」のように「挑戦する企業」


 このように、意外な言葉の組み合わせを見せることは、強力なコンセプトの代表的なパターンになります。

「カフェインレスコーヒー」が優れたコンセプトである理由

 4つ目は「二律背反型」のコンセプト。正反対の2つの価値をくっつけて、強い言葉を作る方法です。

 基本形は「正方向の価値」×「逆方向の価値」

 作り方はとても簡単。まず正方向の価値の部分に「価値あるもの」を入れたら逆方向の価値の部分に正方向の価値と正反対の「価値あるもの」を入れる

 ポイントは、正反対の価値の2つともに「きちんと価値があること」。

 その意外な組み合わせから、常識をひっくり返すインパクトがありつつ、価値もダブルに。話題になりやすい構造といえます。

 例えば「痩せるチョコレート」というコンセプトは「二律背反型」のコンセプトです。

 ここでは、最初に「痩せる」という価値を置いています。これは例えば「ダイエットして、理想の体形になれたらとても幸せ」といった価値のイメージを持ちます。

 そこで、この「痩せる」とは正反対の価値を考えます。ここでは「チョコレート」を考えました。「甘くておいしいので幸せ。なのに、食べて痩せられたらダブルで幸せ」という価値がそこにあります。

 この2つを組み合わせることで「痩せられるのに、甘くておいしいチョコレート」という、ダブルの幸せを持ったコンセプトが生まれるのです。

 二律背反型のコンセプトには、他にも以下のようなものがあります。

飲料のコンセプト

カフェインが入ってなくて妊婦でも飲めるのに、コーヒーを飲む習慣は続けられる。
→「カフェインレスコーヒー」

キャンプ場のコンセプト

都心部でビルも見えているのに、自然を楽しむグランピングで非日常体験。
→「都会グランピング」

タレントのコンセプト

か弱そうな美女なのに、実は引き締まった体で強いアスリートや格闘家。
→「美人アスリート」「美人格闘家」


 このように「正方向の価値と逆方向の価値を掛け合わせる」ことは、強力なコンセプトの代表的なパターンになります。

photo 写真はイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

筆者プロフィール:

篠崎友徳(しのざきとものり)

クリエイターボックスCEO。

2007年、慶應義塾大学理工学部卒業。同年、博報堂入社。さまざまな企業のクリエイティブ制作や、統合的なコミュニケーション戦略設計に携わる。

2017年、クリエイターボックスを創業。商品やサービスのコンセプト開発からブランディング、メディア展開までをワンストップで行う。


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