国内景気の悪化が止まらない。帝国データバンクによると、中東情勢の緊迫化を背景とする原油高が引き続き企業収益を圧迫しているほか、価格転嫁の遅れや個人消費の落ち込みが重なり、景気動向指数が2カ月連続で大きく下落した。
景気が「上向き」か「下向き」かを表す指標である景気DI(ディフュージョン・インデックス。50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味する)は、4月が前月比1.4ポイント減の41.5となり、2カ月連続で悪化した。3月からの2カ月間で2.8ポイントの下落となる。
中東情勢を背景とした燃料・原材料コストの上昇が、価格転嫁のペースを上回っていることから、企業の収益環境が悪化している。塗料などの資材不足が深刻化した建設業で業況悪化が目立ったほか、家計の節約志向が一段と強まったこともマイナス要因となった。
一方で、日経平均株価が一時6万円台をつけるなど金融市場は好調だったほか、売り上げや生産・出荷量は底堅さを維持し、雇用・賃金環境も改善傾向を保った。
業界別で見ると、「建設」「農・林・水産」など10業界中9業界で景気DIが悪化した。前月に続き中東情勢の緊迫化を背景とした原油高が仕入れコストを押し上げたほか、原油由来の材料の供給制約も表面化。節約志向による個人消費の低迷や、慢性的な人手不足と人件費負担もマイナス材料となっている。
「建設」の景気DIは前月比3.9ポイント減となる42.4で、2カ月連続で下落した。「ホルムズ海峡の問題で原油由来の製品が滞り、工事が停止している現場もある」といった声が聞かれ、塗料や接着剤、防水材料などの資材不足や価格高騰の影響を大きく受けていることがうかがえた。燃料価格の上昇による運搬コストや重機の燃料費の増加も、景気DIを押し下げる要因となった。
「製造」の景気DIは前月比0.7ポイント減の39.8。2カ月連続で悪化し、7カ月ぶりに30台に下落した。中東向けの製品が減産している「輸送用機械・器具製造」や、ナフサなど原油由来の原材料の供給制約が響いた「化学品製造」はいずれも2カ月連続で落ち込んだ。
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