AIの利用急増で、ブランド発見から興味や関心を得て、商品の購入に至るマーケティングプロセスが大きく変わろうとしている。
AIエージェントが顧客体験に関与する時代、“受け身”なブランドは生き残れない。4月20日、米Adobe(以下、アドビ)がラスベガスで開催した年次イベント「Adobe Summit 2026」では、キーノートのテーマの一つに「ブランド可視性」を取り上げ、様変わりした環境で成功するための方法が語られた。
人間にも、AIにも選ばれるブランドになるための、必須条件とは?
参考:AIに「発見」されなければビジネスは始まらない アドビCEOが語った、AIエージェント活用3つの壁
コンシューマー向けAIサービスは、ブランドと顧客の間に入る中間事業者として私たちの生活の中に定着しつつある。
AIエージェントとAIアシスタントとの違いは、単にコンテンツを提供するだけではなく、判断とアクション実行まで担うかどうかにある。AIエージェントは、自社サイトだけでなく、あらゆるサイトから収集した情報を統合し、このブランドは高級か庶民派か、信頼できるかリスクがあるか、業界最高か二番手かなどを判断する。そして、判断に基づく提案を示すことができる。
これは、企業がコントロールできない場所で、ブランドの評判が形成される時代が到来したことを示す。
これまでを振り返ると、検索エンジンやソーシャルメディアなどが、ブランドと顧客の間に入る新しい中間事業者として機能してきた。新しい技術が広がっても、ブランドがやるべきことは変わらなかった。顧客との関係構築と維持に投資することだ。
ただし、AIの場合は異なる。AIエージェントに主導権を握らせてはならないため、企業は現状維持を選ぶことは許されないのだ。
自律型エージェントが情報を読み込む「エージェンティックWeb」(AIからのアクセスを前提としたWebサイト)にデジタル環境が変化する中で、Adobe VP of Product & Strategyのロニ・スターク氏は「この新しい世界で自分たちのブランドを際立たせるには、人間とAIの両方を制するしかない」と主張した。
人間への可視性だけを最適化の対象とし、AIへの露出が不十分な場合、ブランドは見えない存在になり、表示される候補の中に入らなくなってしまう。これは顧客の意思決定に関与できないことに等しい。
あるブランドは既存のコンテンツをAIエージェントが読み取りやすい形に変えただけで、ChatGPTでの引用を140%増やすことに成功したという。
逆に、AIだけを最適化の対象にする場合、ブランドが築いてきた無形資産は形骸化する。失った顧客を取り戻そうとしても、取り戻すコストが余計にかかってしまうだろう。
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