大阪・関西万博には、158の国・地域と7つの国際機関が参加した。国内のパビリオン出展者は17者で、その一者であるNTTは「コミュニケーションの未来」を展示した。
手紙、電話、インターネットなど通信技術の変化を追いながら、次世代の情報通信基盤「IOWN」(アイオン)を紹介。IOWNは、光技術を活用して大容量・低遅延・低消費電力のデータ伝送を可能にする技術だ。NTTパビリオンでは、音楽ユニット「Perfume」のライブ映像や振動データを離れた会場に送り、空間ごと3DCGで再現する実証実験のアーカイブ公演を視聴できた。
同社は「IOWN構想」として「2030年までに電力効率100倍、伝送容量125倍、遅延200分の1を実現する」という目標を掲げている。2023年から「IOWN APN」として商用提供を始め、遠隔地のデータセンターを接続する用途などに使われはじめている。
話題になった展示が“遺産”として残るケースも多数ある。
サイエンス(大阪市)の「ミライ人間洗濯機」は、1970年の大阪万博で注目を集めた「人間洗濯機」を進化させた試作品だ。カプセル型の洗浄機に人が座ると、AIやセンサー技術で湯や泡を調整し、リラックスできる映像を投影する。
約1億円で作られたミライ人間洗濯機は、人気を受けて量産化が決定。2026年2月、工事費やメンテナンス費を含めて6000万円で一般発売された。開発したサイエンスは、同製品の技術を応用して介護施設向けの入浴設備も販売している。
万博の顔となったパビリオンの一部は、移築や再利用が決まった。メディアアーティストの落合陽一氏が担当したパビリオン「null2」(ヌルヌル)は、神奈川県横浜市の横浜ランドマークタワー内に常設シアターとして設置する。
大阪大学の石黒浩氏が手掛けたパビリオン「いのちの未来」(石黒館)では、石黒氏が開発した人型ロボット(アンドロイド)を使って未来社会が描き出された。協賛した長谷工コーポレーションが運営する東京・多摩市の「長谷工マンションミュージアム」に常設展として移設された。
万博展示のその後を追うと、万博で披露された“特別な技術”が、社会に着実に根付いていることが分かる。万博が残した遺産は、日本や世界の未来にどう貢献できるのか。
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2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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