もっとも、ワコム経営陣にも言い分はある。
2026年3月期の連結業績は、売上高1099億円(前期比4.9%減)、営業利益133億円(同31.1%増)、純利益95億円(同82.8%増)と明らかに改善している。年間配当金も年26円に引き上げ、2027年3月期は売上高1100億円、営業利益140億円、純利益100億円となる見通しを示した。
「きちんと数字を出している経営陣を、なぜ切ろうとするのか」というのが、ワコム側の最大の主張である。
しかしAVIは、この決算を数字通りには受け取っていない。円安の影響を除くと、ワコムの実質的な営業利益は、2021年3月期比で約4割減の水準であると指摘している。
つまりAVIは、ドル建てのキャッシュフローを持つ会社が、為替の追い風で利益を底上げしているだけで、本業の構造改革は進んでいないと主張しているのである。
円換算した売上高の数値で議論したいワコム側の経営陣と、為替の影響を除いて本業の地力を問う筆頭株主。両者の見ている景色は、全く異なるのである。
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