「使い道の幅を広げること」として、同社が挑んだのが、揚げ物などにも使いやすい「粉末タイプ」の開発だ。テスト販売では2カ月分の在庫がわずか4日で完売するほどの反響を呼び、3月から全国展開を開始した。
「ブランドへの愛着を高める」ために、同社はカルビーとコラボしたポテトチップスや、スキンケアブランドのサボリーノと組んだフェイスパック、さらにはアパレル展開など、調味料の枠を超えた施策を実施した。村重氏は「単なる話題作りではなく、日常のさまざまな場面で味ぽんとの接点を作り、ブランドをより身近に、楽しく感じてもらうための試みだ」と説明する。
コミュニケーションのあり方も大きく変えた。かつては宣伝予算の8割以上をテレビCMなどの広告(ペイドメディア)に投じていたが、現在は約5割まで絞っている。「誰もが知るブランドだからこそ、一方的な広告だけでは人の心は動きにくいと考えた」(村重氏)
同社が注目したのは、SNS上で自然に生まれるUGC(ユーザー生成コンテンツ)だ。味ぽんをお弁当やネイルのモチーフにするようなコアなファンを「最大の強み」と捉え、こうしたファンが喜ぶような仕掛けを展開した。
その一つが、SNSで「どんな味ぽんが欲しいか」を募り、直接コミュニケーションを取りながら具現化する「ぽんまつり」だ。11月10日の味ぽんの誕生日に合わせ、日清食品、JR東海など他社ともタッグを組んだ大規模なキャンペーンを展開した。
こうした取り組みの結果、ブランド単体で年間130万件ものUGCを創出。宣伝費を抑えながら、ファンの発信が次のファンを呼ぶ好循環を生み、市場シェアを広げることにつながったという。
「日常にちょっとした楽しさや驚きといったエッセンスを加えながら、調理のマンネリ解消という生活者のニーズに応えていこうというのが、直近の味ぽんの考え方です」(村重氏)
ロングセラー商品にとって、ブランドの停滞は避けられない課題だ。生活者の深いインサイトに寄り添い、常に「今」の空気感に合わせてブランドをチューニングし続けていくことが、継続的な成長に必要な考え方ではないだろうか。
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