前述の調査では、現場の負担の大きさを示すデータも明らかになった。高齢者において、デジタル上の手続きを「ほぼ1人で完結できている」と答えた割合はわずか16.7%。残る8割超は何らかのサポートを必要としており、「ほぼ毎回、誰かのサポートを必要としている」は14.1%に上った。
では、サポートが必要になるのはどんな場面なのか。調査結果から操作が止まる主な原因を見ると「スマホやPC操作の不慣れ」が110件で最多だった。2番目は「パスワードや2段階認証」(79件)という技術リテラシーに起因するもの、3番目には「文字やボタンが見つからない」(55件)、4番目に「言葉の意味が分からない」(49件)と、デザインや言葉に関する課題が続く。
注視すべきは、操作以前の心理的なつまずきだ。坂巻氏は、調査結果から技術リテラシー以前に存在する壁を指摘する。
「PCやスマートフォンで手続きをするように頼まれた時点で『1人ではできないから誰かに助けてほしい』『心配だから誰かについていてほしい』という拒絶感や不安感を持つ人が多いことが読み取れる」(坂巻氏)
デザインや言葉の選び方、そして「自分にはできない」と感じさせない設計の工夫といった、サービスを提供する側で変えられる領域にこそ、改善の余地があるのだ。
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