なぜ「屋外エアコン」は10分で完売したのか コロナが見つけた“家の外”という新市場(3/4 ページ)

» 2026年06月11日 07時00分 公開

窓用エアコンを「横」に倒す

 BREEZE BOXが屋外でも涼しさを実現できる理由は、本体内部のレイアウトにある。コロナ社が40年以上手掛けてきた窓用エアコンの技術を応用しているが、窓用エアコンは窓枠にはめ込む縦型だ。これを持ち運び可能なボックス型にするため、内部を横型に再設計した。

 具体的には、中央にコンプレッサーを置き、その左右に熱交換器を斜めに配置。この並べ方によって大型のファンを搭載でき、冷たい風を遠くまで送れるようになった。風量「HIGH」時には、最大10メートル先まで風が届く。冷却性能を維持しながら、消費電力を抑えつつ風量も高める。こうした性能の両立が、レイアウト設計で最も苦労した点だったという。

photo 内部のレイアウトにこだわった

 左側がテント内の空気を吸い込む吸気口、右側が外へ熱を逃がす排気口にあたる。冷えた空気を居住スペースに送りつつ、熱を帯びた空気は外へ逃がす仕組みだ。熱交換器を2つ備える構造自体は、他社のポータブルエアコンにもあるが、内部レイアウトの工夫で差別化を図った。

 このレイアウトは、静音性にも効いている。就寝時の使用を想定し、運転音はLOW運転時で40デシベルに抑えた。コンプレッサーは振動を伴うため、対策をしなければ、部品が共振して騒音が大きくなる。振動を抑える配置のノウハウは、長年の窓用エアコン設計で培ってきた。

photo 振動音を最小限に抑えた設計

 実際の冷却効果も検証している。試作段階での社内評価によると、大人3人用テントで気温30度の環境で運転したところ、3〜4度下がったという。

 使い勝手の面でも工夫がある。本体には折りたたみ式の脚を備え、インナーテントの立ち上がり部分をまたいで設置できる。操作部のある前方をテント内に、排気側の後方をテント外に出して設置する。付属のダクトは、冷風側・排熱側のどちらにも取り付け可能だ。

photo コロナ独自の折りたたみ式の脚を採用

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