なぜ「ギルティ消費」が支持されるのか ファミマや丸亀製麺も着目する“背徳感”の正体(3/3 ページ)

» 2026年06月23日 05時30分 公開
[米倉志保ITmedia]
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「刺激×旨さ」がやみつきに

 サントリービバレッジ&フード(以下、サントリーBF)もギルティ消費に着目した企業の一つだ。

 同社が3月に発売した炭酸飲料「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」は、発売から1週間で出荷本数2000万本を突破した。14年ぶりの新炭酸ブランドとして投入された商品で、完熟フルーツやスパイスなど99種類以上のフレーバーを組み合わせ、“やみつき”になる味わいを目指した。

「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」(出所:サントリーBFプレスリリース)

 サントリーBFによると、コロナ禍以降、20〜30代を中心にストレスが増加し、背徳感のある飲食を楽しむ傾向が強まっているという。同商品は、1人でだらだらと過ごしながら飲むことで、ストレスが溶けていくシーンをイメージして開発した。

 実際に、ラーメンやピザ、スナック菓子など高カロリーな食品と組み合わせたり、ゲームやスマホ視聴のお供として楽しんだりする声が寄せられている。一方、想定していたリラックスシーンだけでなく、出社前や仕事中などに飲用するケースも見られるそうだ。

ローソンでも大盛り商品が好調

 こうしたギルティ消費の広がりについて、ローソンの商品本部 飲料・加工食品部マーチャンダイザーの多和孝徳氏は「刺激とうまさが掛け合わさった商品は、やみつきになって再び食べたくなる」と分析する。

ローソンの商品本部、飲料・加工食品部マーチャンダイザーの多和孝徳氏(出所:編集部撮影)

 過去記事(ローソン、なぜ「具も汁もない」カップ麺が売れるのか “刺激×旨さ”がやみつきに)で紹介したように、ローソンではオリジナルカップ麺「麺大盛り」シリーズが好調だ。レギュラーサイズの焼そばカップ麺は販売が伸び悩んだ一方、大盛り仕様に刷新したことで売り上げが伸長した事例もある。

 多和氏が挙げる「刺激」には、辛さやニンニク、大盛りによる満腹感も含まれる。こうした要素は、近年広がるギルティ消費と親和性が高い。

 物価高が続く中、消費者の節約志向は強まっている。一方で、日々のストレスや閉塞感を抱える人も少なくない。そうした中で、数百円から数千円程度で手軽に満足感や非日常感を得られるギルティ消費は、コストパフォーマンスの高い“プチぜいたく”として受け入れられているようだ。

 節約したい一方で、我慢ばかりはしたくない――。ギルティ消費は、そうした相反する消費者心理を映し出すトレンドとして、今後も企業の商品開発に影響を与えそうだ。

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