2026年7月1日、dカードとd払いは吸収分割でNTTドコモ・フィナンシャルグループに承継された。貯める・使うの主要な現場である決済と、ポイントが別会社に分かれた形だが、山崎氏は役割の変化を否定する。
「各サービスをつなぐハブがdポイント。各サービスの魅力を高める、潤滑油のような役割だ」。同氏によると、dポイント・d払い・dカードのうち、利用者が最初に接点を持つのはdポイントであることが多いという。グループ銀行の特典としてdポイントが貯まりやすくなる施策なども、今後打ち出されるとみる。
ポイントを使う動機づくりも続ける。d払いやdポイントカードの券面をJリーグクラブなどのデザインに着せ替えると、利用者が貯めたポイントの5%相当を、ドコモがクラブへ応援金として拠出する。着せ替えを利用したユーザーは、その後の利用額が目に見えて増えたという。
オーディション番組の練習生や学校をデザインした券面も用意した。「推したい気持ちに寄り添えるデザインをいっぱい作れたらいい」と仲本氏は話す。
一方で、料金への充当やポイント運用への自動充当など、支払いの自動化が進むほど、ポイントを使った実感は薄れていく。そこで、山崎氏が挙げるのは視覚と聴覚の演出だ。「ポイントカードを出したり、d払いで払ったりしたら、音をジュビロ磐田の選手の掛け声にするとか。『使って良かった』と思ってもらえる体験を作りたい」
4000億ポイント達成の次に問われるのは、量ではない。財布とスマホの中で「なんとなく」選ばれる習慣の座を、還元率の上積みではなく、使う瞬間の体験で、どう獲得するか。共通ポイントの競争は、「配る力」を競う段階から、「使ってもらう力」を競う段階へ移りつつある。
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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