「中国人観光客が原因」は誤解だった? 京都を苦しめる“観光集中”の正体スピン経済の歩き方(4/6 ページ)

» 2026年07月15日 07時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

外国人観光客が分散する簡単な仕組み

 ……という話をすると、「いやいや、地域に特色を出したところで、そんなに簡単に外国人観光客は分散しないだろ」と感じる方もいらっしゃるかもしれないが、実は、比較的導入しやすい仕組みが存在する。しかし、日本ではまだ十分に整備されていない。

 それは「スピリチュアルツーリズム」だ。

 これは、精神的な癒やしや自己探求、心身のリフレッシュなどを目的とする観光で、宗教上の聖地や、神秘的な力を感じられるとされるパワースポットなどが目的地となる。

 「うわっ、なんかやばいやつの記事を読んじゃったよ」などと引く人もいるだろうが、世界の観光市場では立派に市民権を得たジャンルで、市場は急速に拡大している。

 The Business Research Companyの「信仰ツーリズムの世界市場リポート 2026年」によると、信仰ツーリズム市場は、2025年の149億3000万米ドルから2026年には164億6000万米ドルへ拡大するとされ、年平均成長率(CAGR)は10.3%になるという。これは、世界の観光市場において、スピリチュアルツーリズムが無視できない規模に成長していることを示している。

 実際、米国・アリゾナ州にあるセドナでは、地球のパワースポット「ボルテックス」を巡る旅が人気だ。インドのヨガの聖地、フランスのルルド、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路など、スピリチュアル体験を求めて世界中から観光客が訪れる。

世界各国で広がるスピリチュアルツーリズム(出典:ゲッティイメージズ)

 ただ、そんなスピリチュアルツーリズムは全ての観光客に当てはまるわけではない。国のリーダーが聖書に手をのせて宣誓する国もあれば、「宗教はアヘンだ」という共産主義の国もあれば、日本のように無宗教の人が多い国もある。つまり、国によってスピリチュアルツーリズムへの理解度・関心度にはバラつきがあるのだ。

 裏を返せば、スピリチュアルツーリズムは、観光客の目的地を多様化し、地域への分散を促す可能性を持っている。

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