実際、それを証明している地域が日本にもある。和歌山県の「熊野古道」である。
熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)へと続き、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産にも登録された。このあたりは欧米の観光客に非常に人気の高い「スピリチュアルツーリズム」のメッカだ。
よってスピリチュアルに対する感性、考え方によって面白いように動きが分かれる。訪日外国人向けのナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」を運営するナビタイムジャパンが、このあたりのインバウンド利用状況を分析し、その結果を以下のように発表した。
「国籍別に見ると、熊野本宮大社はカナダやフランス、米国など欧米圏の旅行者が多い一方、熊野那智大社・青岸渡寺周辺には中国人旅行者の滞在が多く見られます。また、熊野古道の1つである中辺路沿線では米国人の他、台湾人やオーストラリア人旅行者が滞在しています。その他、高野山周辺は米国人やフランス人、イタリア人旅行者など、欧米圏の旅行者の滞在が見られ、エリアやスポットにより国籍による傾向の違いが見られます」
熊野本宮大社は、熊野三山の中でも特に歴史的な雰囲気を残し、主祭神・家津美御子大神(素盞鳴尊)の使いとされる導きの神「八咫烏(やたがらす)」がシンボルとなっている。中辺路は、スペインのサンティアゴ巡礼路と提携した「共通巡礼」という制度もあり、欧米豪の観光客には知名度の高い巡礼路である。
そうしたスポットには欧米豪の観光客が多くいるのに対して、中国人観光客が多い熊野那智大社・青岸渡寺周辺は、那智の滝と朱塗りの三重塔が織りなす景観が魅力だ。中国人観光客の団体ツアーで富士山が人気を集めるように、中国人観光客は自然景観を目的地選びの一つとして重視する傾向がある。
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