発売の数年前から構想が動き出し、アヲハタとしては異例の長い開発期間を要した。それほど容器を変えるのは簡単ではなかった。紙やチューブなど複数の案を検討した末、風味を保てるプラスチックボトルに落ち着いた。
当初、社内には慎重論もあったという。「ジャムといえば瓶」という思いは社員たちの中でも強く、瓶ではない商品が受け入れられるのか、という懸念の声もあった。その中で開発を後押ししたのは、定期調査で見えた「瓶が使いづらい」という声だった。
「ジャムは食べたいが瓶が面倒、というニーズが見えていた。その悩みを解決してこそジャムメーカーだと社内で議論を重ねた」とマーケティング本部の松本翔吾氏は振り返る。
開発にあたり、中身も作り替える必要があった。瓶入りのジャムは、ごろっとした大きな果肉が特徴だが、出し口の狭いボトルでは果肉が大きいと詰まってしまう。小さくしすぎるとソースのようになり、果肉感が薄れる。ミリ単位の調整を重ね、使いやすさとアヲハタらしい果肉感の両立を目指した。
「さよならスプーン。」というコピーを採用し、その特徴や価値を商品名にも込めた。フレーバー展開にも狙いがあり、いちご、オレンジ、ブルーベリーの3種類からスタートした後は、パン以外の用途を広げる「トロピカル」、子ども向けの「りんご」「ぶどう」など、狙いを明確にしてラインアップを拡充してきた。最も人気が高いのは、瓶入りの商品と同じく、「いちご」だという。
果肉を大きくできない一方で、味が全体に広がりやすいのがボトルタイプの強みだ。パンだけでなく、ヨーグルトにも混ぜやすい点が評価された。
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